猫の多頭飼いに憧れてるんだけど大変かな?
猫を3匹飼っている私がコツを説明するね!
猫の多頭飼いに憧れるけど、実際に上手くいくのか不安という方に、多頭飼いを成功させるためのポイントをまとめました。
初対面の猫同士を会わせる5つのステップ、猫同士の良好な関係の築き方、快適な飼育環境を作る秘訣を解説しますので、最後まで読んでいただくと、多頭飼いの疑問が解消し、猫たちと幸せな生活を送るコツがわかります。
多頭飼いを考えている方はぜひ参考にして下さいね。
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多頭飼いをする時に確認しておく事
猫の多頭飼いは飼い主にとっても猫にとっても楽しい時間になりますが、さまざまな準備が必要です。
多頭飼いを始める前に、まずは以下の項目を確認をしておきましょう。
- 新入り猫の健康状態をチェックする
- 経済的負担を考える
健康状態をチェックする
猫の多頭飼いを検討する際には、新しく迎える猫の健康状態を確認することが重要です。新たに迎える猫と先住猫の間で感染症などを防ぐため、以下のような事前チェックが必要になります。
- 予防接種の確認
- 寄生虫の検査と駆除
- 避妊または去勢の状況確認
ペットショップやブリーダーから迎えた場合は健康診断の証明書を通じて健康状態を確認しましょう。
お外で生活していた猫を迎える場合は、先住猫に会わせる前に必ず動物病院に連れて行き、健康チェックを済ませておきましょう。
その他には歯や口腔の健康状態の確認、体重と栄養状態のチェック、猫の性格の把握もできていると安心です。
経済的負担を考える
猫の多頭飼いを検討する際、経済面を考えることは重要な要素の一つになります。
猫の飼育は単に愛情を注ぐだけでなく、責任を持って世話をすることが必要です。
食事代、医療費といったさまざまな費用がかかるため、計画的に準備しなくてはいけません。
具体的にかかる費用について以下にまとめます。
- 毎日の食事費用
- 猫用トイレや砂など日用品の費用
- 病院での定期健診の費用
- 病気や怪我に備えた医療費の予算
- 予防接種や寄生虫予防薬の定期的な費用
猫の年間の平均費用は約16万円という統計があります(参照:アニコム「家庭動物白書」)。
猫の寿命は平均15年ですので、生涯にかかる費用は最低でも約240万円くらいと計算できます。
猫の心身の健康を保つために、キャットタワーやおもちゃなどの娯楽品の購入も必要です。
万が一の備えとしてペット保険加入の検討をするかもしれません。
愛猫が健康で幸せに暮らすためにも、どのくらいの費用がかかるかを事前に把握し、計画的に準備しましょう。
猫の多頭飼いでよくある質問
多頭飼い成功への鍵はそれぞれの猫の性格や相性、健康状態を考慮しつつ適切な環境を整えていくことにあります。
猫の多頭飼いを検討する際に、よくある質問を以下にまとめました。
年齢差はどれくらいが理想的?
理想的な年齢差はありませんが、性格や活動レベルが似ている猫たちは相性が良く、一緒の生活に慣れやすいです。
2歳未満の若い猫同士・成猫同士は、遊ぶ時間や休息の取り方が一致しやすく生活リズムが合いやすいです。
子猫とシニア猫の組み合わせは活動量・生活習慣などが違うので、ゆっくりしたいシニア猫にとってはうるさい存在になってしまいストレスを感じることもあるので注意しましょう。
やむおえずシニア猫のいる環境に子猫を迎えた場合は、シニア猫がひとりでゆっくり眠れるスペースや子猫が入ってこない環境を作ってあげることが必要です。
性成熟前の子猫(6カ月未満)は性別に関わらず仲良くなりやすいよ
複数の猫を同時に迎えることは可能?
複数の猫を同時に迎えることは可能ですが、ストレスにならない様に猫同士の相性に気を配る必要があります。
複数の猫を同時に飼うときは、下記のポイントを意識して猫を選ぶようにしましょう。
- 子猫は比較的どんな猫とも仲良くなれる
- 子猫とシニア猫の組み合わせはシニア猫にストレスがかかる可能性あり
- 兄弟猫を一緒に迎えれば相性の問題は少ない
- 成猫のオスと成猫のオスは、なわばり争いがおこる可能性あり
複数同時に迎える際は、十分なスペースと生活環境(食事、トイレ、遊び場所など)を用意することが大切です。
焦らず、猫のペースでゆっくり慣れさせてね
猫が病気になったとき他の猫への影響は?
多頭飼いの場合、猫同士が密接に接触する機会が多く、病気が他の猫にうつるリスクが高まるので注意が必要です。
猫はストレスにより免疫力が低下し、病気などのリスクが上がります。
病気の猫へのケアに時間がかかり、他の猫が十分な世話や愛情を受けられない状況になることにも気をつけなければいけません。
健康な猫までストレスを受けないように、どの猫にも同じように愛情を注ぎ、適切に対応をする必要があります。
定期的に予防接種や検診をしっかり受けることが病気の予防に大切です。
万が一、病気が発生した場合は隔離スペースを用意して病気の猫と健康な猫を隔離しましょう。
猫同士の接触を減らすことで病気に感染することを防げます。
こういう事態にもキャットケージを用意しておくのがオススメ
何匹までが適切?
飼う猫の適切な数は、飼い主の時間や経済的な余裕、家の広さなど複数の面から考える必要があります。
複数の猫を飼育する場合の家の広さは以下を参考にして下さい。
- 部屋の数>猫の数 が理想
- 上記が難しい場合でも部屋の数=猫の数 にする
- 猫の相性が悪い場合、逃げられる部屋があることが重要
一般的には一人の飼い主が適切に世話できる猫の数は2〜3匹と言われているよ
多頭飼いに適した種類はある?
多頭飼いに適した猫の種類というのは厳密にはありません。
何人かの経験談で、例えばラグドールやメインクーン、ラガマフィンなどが他の猫と仲良くなりやすいという声があります。
それらの猫種は比較的おおらかな性格の子が多いことが理由かもしれません。
とは言え、個々で性格が違うので、あくまで参考程度にしておくと良いですよ!
猫同士が初対面から仲良くなるまで5つのステップ
猫がお互いを認識して良好な関係性を築くためには時間がかかります。
急がずゆっくりと自然に関係を深められるようにサポートしましょう。
猫同士が初めて会ってから仲良くなるために必要なステップをご紹介します。
- 【初日】先住猫に最大限の配慮する
- 【2~6日目】匂いの交換
- 【7日目】視覚的な接触
- 【8日目】最初の対面
- 関係性の確立
先住猫に最大限の配慮する
新しく迎える子を家に連れてくる時は飼い主もワクワクします。
先住猫に「新しい子だよ~」と一刻も早く見せてあげたい気持ちはとても分かりますが、これはNGな行為です。
新しく来た子を連れてきた場面を絶対に先住猫に見られないようにしましょう。
先住猫は、今まで愛情を独占できていた飼い主を取られたと思い、新しい猫を敵対視する可能性が高くなります。
「なんか他の猫の気配がする…」「知らない間に新しい猫がいた…」と先住猫が時間をかけて認識していくステップが必要です。
初日に限らずどんな時でも先住猫を優先するようにしましょう
【2~6日目】匂いの交換
猫同士が初めて会うときには、匂いの交換が重要です。
猫は匂いを通じて相手の情報を得たり、相手を認識したりして安心感を持ちます。
最初の1週間くらいは猫を別々の部屋で過ごさせます。
健康診断で問題がないことが確認できている場合、お互いの匂いを含んだタオルや食器、寝床を少しづつ交換してみましょう。
猫たちの匂いが混ざることで、敵意を減らし友好的になるための準備が整います。
別の部屋にするのが難しい場合は、新入り猫をケージに入れ布で覆うのも有効だよ
【7日目】視覚的な接触
7日目くらいになったら、いよいよ視覚的に接触させます。
最初はガラスやケージ越し、ドアの隙間から覗かせるという距離感で良いでしょう。
先住猫の性格によりますが、興味を持ってグイグイ近づいていく場合もありますし、威嚇する子もいます。逆に逃げ出してしまう子もいます。
猫同士が安全な距離を保ちながら相手を観察できるように短い時間から始め、徐々にその時間を延ばしていきましょう。
新入り猫を抱っこして見せるのはNG!
先住猫には気分が良くない行為です
【8日目】最初の対面
ガラスやケージ越しの対面で威嚇や逃げなくなってきたら、いよいよ直接の対面です。
お互い興味深々かもしれませんが、近づきすぎると緊張しやい状況のため、お互いに安全だと感じられる距離を保ち、猫同士が攻撃的な行動を取らないように注意します。
初対面は短時間で切り上げ、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。飼い主はリラックスした態度で見守り、穏やかな環境を保つと、猫たちも安心しやすくなります。
先住猫を今まで以上に可愛がりましょう。
大好きな飼い主を奪われた、新入りが自分のテリトリーに勝手に入ってきたと思わせないように気を使ってあげましょう。
先住猫が威嚇しても決して怒らないで!
関係性の確立
猫同士は、共同で遊んだり、食事をしたりすることで絆が深まります。
ご飯や水の場所を徐々に近づけたり、猫が互いに友好的な行動を見せたときにご褒美や撫でてあげたりするのも効果的です。
隠れ場所や高い場所を用意し、お互いに干渉しすぎない時間も大切にすると、猫同士が自然に親しみを持てます。
先住猫のご機嫌を大切にしてあげると慣れるまでの時間も短くなります
猫の多頭飼いを成功させるポイント
猫の多頭飼いを成功させるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
猫が新しい環境に安心して慣れるよう準備・配慮をすることで、多頭飼いをスムーズに始められます。
安心できる環境を整え、猫同士のトラブルを回避し、猫たちが幸せな生活を送れるようにしましょう。
猫同士の関係性
多頭飼いにおいて、猫同士の関係性を良好に保つことは、猫が快適に暮らす上で非常に重要です。
猫は縄張り意識が強いので、新入りを受け入れる際には適切な時間をかけることと、注意する点があります。
猫の関係性には性格や年齢、性別などさまざまな特徴が影響を与えますので猫同士を会わせるときは慎重に計画を立てましょう。
(ページの下の項目では初対面の猫同士を会わせる5つのステップを紹介しています)
猫同士の関係性を良好に保つ方法は以下のとおりです。
- 初対面時は適切な関係を築くために、互いの匂いを交換して認識させる
- 猫が互いにストレスを感じないように、個々のプライベートスペースを作る
- 遊ぶ時間や食事の際に猫同士の交流を促す
- 競争を避けるため、食べ物やトイレを複数用意する
猫同士のコミュニケーションでは、鳴き声やボディーランゲージなどの身体言語が大きな役割を果たします。
猫が出すサインの重要性を理解し、猫が安心して暮らせる環境を整えていきましょう。
» 猫のストレスサインの見分け方
飼育スペースの確保
猫の多頭飼いを成功させるためには、充分な飼育スペースの確保が重要です。
猫はストレスなく快適に過ごせる自分だけの空間を好みます。
幸せを感じて生活してもらうためには、各猫に充分な個別スペースを作りましょう。
- 猫がストレスなく過ごせるための隠れ家や高い場所を設ける
- 複数の猫が同時に遊べる十分な広さのスペースを確保する
- 寝場所、食事スペース、トイレの場所を猫の数に応じて増やす
- 隔離できるスペースを用意し、猫同士のトラブル時に対応できるようにする
飼育スペースの準備は、猫たちが安心して生活できる環境が整うだけではなく、飼い主も多頭飼いの管理が行いやすくなります。
» 猫の室内飼い完全ガイド
食事管理
適切な食事は猫の健康を保つ上で欠かせませんが、特に多頭飼いの場合は、それぞれの猫に合わせた食事管理が大切です。
多頭飼いの猫の食事を管理する際、気をつけるべきポイントは以下のとおりです。
- 成長ステージに合った栄養バランスのフードを選ぶ
- それぞれの猫に合った食事量を把握する
- ご飯の争いを避けるために個別の皿で食べさせる
- 残してないか、他の猫が食べていないかなど食事の摂取量をチェックする
- 体重管理を行い、肥満を防ぐ
食べ残しやご飯皿は常に清潔に洗い、衛生管理も徹底しましょう。
食事管理を適切に行うことで、猫の健康を守ることができます。
» 猫の適切なご飯の量を解説
トイレの衛生管理
トイレの管理は猫の多頭飼いにおいて非常に重要です。
猫それぞれに快適なトイレ環境を準備することで、猫同士の喧嘩やマーキング行動の抑制に役立ちます。
トイレを準備するときは、以下の項目に気をつけましょう。
- 猫の数+1個のトイレを用意する (2匹なら3つのトイレ)
- トイレは静かな場所に置く
- トイレの場所を頻繁に変えないことで、猫がストレスを感じにくくする
猫は非常にきれい好きです。
猫の健康を守り、快適な空間を維持するためにも常にトイレを清潔に保ちましょう。
下記のような点に注意してトイレを清潔に保つようにしましょう。
- 定期的にトイレの掃除を行い、尿や糞はその都度とり除く
- 使用する猫砂は猫が好むタイプを選ぶ
- 排泄後の臭い対策として、消臭効果の高い猫砂や消臭スプレーを活用する
- 定期的にトイレ全体の洗浄を行い、猫砂を全交換する
トイレトレーニングをしっかりと行い、すべての猫がトイレを正しく使用できることも大切です。
尿や糞をこまめに取り除くのが難しい場合は自動トイレなどの導入を検討するのも猫のストレス緩和に有効です。
猫の多頭飼いにおける健康管理
猫の多頭飼いでは、複数の猫が同じ空間で生活するため、病気の予防と早期発見が重要です。
以下の健康管理をしっかりと行い、猫たちが健康で幸せに暮らせるようにサポートしましょう。
- 定期的な健康チェック
- ワクチン接種
- 寄生虫の予防と除去
定期的な健康チェック
動物病院での定期的な健康チェックは病気の早期発見や予防につながります。表面上は見えない健康問題も発見できます。
最低年1回は病院に行き、健康チェックをしましょう。
自宅では猫たちの健康管理のために以下の項目のチェックも大切です。
- 歯のチェック (歯磨きやよだれ、食べる時に痛そうにしてないか)
- 被毛と皮膚の状態確認(痒がってないか、毛づや)
- 耳の内部のチェック(汚れ、痒がってないか)
- 目の健康状態の確認(目やに、痒がってないか)
- おしっこ(回数、量)
- うんち(回数、状態、量)
毎日の生活で体重や食欲の変化など、日常の小さな兆候にも注意しましょう。
ワクチン接種
ワクチン接種を行うと猫同士の感染リスクを減らせます。
獣医師と相談し、適切な時期に適切なワクチンを受けさせましょう。
三種混合ワクチンが一般的で、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス、猫汎白血球減少症を予防する効果があります。
室内猫であっても、外部から持ち込まれる病原体のリスクがあるため、ワクチン接種を行うことが一般的になっています。
寄生虫の予防と除去
寄生虫は猫の健康を脅かすだけでなく、他の猫や人間にも影響を及ぼす可能性があります。寄生虫は薬を使った予防が欠かせません。
定期的に駆虫剤を使用し、猫砂をこまめに交換して清潔な生活環境を保ち、寄生虫の予防に努めましょう。
外出する猫は他の動物と接触し、寄生虫を持ち帰るリスクが高まります。
獣医師による定期的な検診を受けると、早期に寄生虫を発見できるでしょう。
まとめ
猫の多頭飼いは適切な準備と管理が大切です。
猫同士が仲良く暮らせるよう、迎えた初日~対面するまでも注意を払い、それぞれの関係性を大切にしましょう。
多頭飼いをする上で、猫たちが快適な生活を送るためのポイントは以下のとおりです。
- 快適で十分な飼育スペースを確保する
- ストレスを最小限に抑える
- 食事管理に気を配る
- 清潔なトイレ環境を保つ
適切なケアとストレスを感じさせない環境作りができれば、猫も飼い主も幸せな生活が可能です。
多頭飼いは本当に楽しいし幸せ倍増です。
ご紹介したポイントに注意して素敵な猫ライフを送って下さいね!