キャットフードを選ぶ時、原材料が気になる方も多いと思います。
私は実店舗でペット用品やフードを販売している仕事に就いているのですが(生体販売ではないです)、お客様から以下の様な質問をされることがあります。
ミートミールが使われているフードって良くないんでしょ?
肉副産物って何?
家禽ミールとか家禽副産物って何?
そこで今回の記事では
キャットフードのミートミールや肉副産物とは何なのか?
やっぱり悪いものなの?
という疑問をご説明していきます。
キャットフード 気になる3つの原材料
キャットフード選びをする際に、気にされる方が多いのが主に以下の3種類の原料です。
・ミートミール
・家禽(かきん)ミール
・家禽副産物または肉副産物
どれも似たような言葉なので、同じものだと思われている方も多いのですが、実はひとつづつ意味が異なります。
違いを説明していきますね。
尚、ここで説明する言葉の定義はAAFO(The Association of American Feed Control Officials)「米国飼料検査官協会」の基準に基づいています。
ただし、AAFOはペットフードの認定機関でもありませんし、ペットフードはAAFOの基準を絶対に満たしていなければ○○ミール等と書いてはならないというものではありません。
ミートミールとは何?
例えば、このキャットフードは原材料名に肉類(ミートミール、チキンミール)とあります。
ミートミールとは、哺乳類の肉や皮をレンダリング(※)して「乾燥肉」「粉にした状態」の肉を指します。
※レンダリングとは、生肉を調理し、脂肪と水を抜き濃縮すること。
ここでびっくりなのが、ミートミールは哺乳類の肉という大きなくくりになっていて、哺乳類の種類は限定されていません。
つまり、上記のキャットフードはミートミール、チキンミールとある通り、チキン以外はどんな哺乳類なのかは分かりません。
また、数あるフードの種類の中には毛や骨なども含まれている場合があります。そのため、牛由来のものを使っていると狂牛病のリスクも否めないといわれています。
これがミートミール使用のフードに不安を持っている方が多い理由なのかと思われます。
家禽(かきん)ミールとは何?良くないの?
家禽(かきん)という言葉は耳慣れないかもしれませんので、まずは家禽の説明からしておきます。
家禽とは、肉・卵・羽毛を得るために人間が繁殖させ、飼育している「鳥類」のことです。
つまり家禽ミールとは、家禽=鳥類(種類は限定されていない)の肉や皮をレンダリング(※)した乾燥肉のことを指します。
※レンダリングとは、生肉を調理し、脂肪と水を抜き濃縮すること。
家禽ミールの中には骨が含まれている場合もあります。
肉副産物や家禽副産物って何?良くないの?
肉副産物や家禽副産物かの違いは、哺乳類か鳥類かの違いで呼び方が変わります。
哺乳類なら肉副産物と呼ばれ、鳥類なら家禽副産物と呼ばれます。
いずれにしろ、肉副産物や家禽副産物とは、どちらも食肉加工時に、胸肉やもも肉などのいわゆる「生肉」を取り除いた後の残りの内臓、骨、足、頭、羽毛、脂、血液のことを指しています。
ミートミール 肉副産物 家禽ミールを避ける理由
ミートミール、肉副産物、家禽ミールの違いがお分かりいただけたかと思います。
次に、これらの原材料を避けたいと思う方が多いのは何故なのでしょうか?
ミートミールは哺乳類の肉ですが、種類は限定されていないので、牛由来のものを使っていると狂牛病のリスクも否めないといわれています。
これがミートミール使用のフードに不安を持つ大きな理由でしょう。
また、肉副産物、家畜副産物、家禽ミールは「どんな種類の肉なのかがはっきり分からない」、「新鮮な肉なのか分からない」ということが不安要素になっています。
ミートミール 肉副産物 家禽ミールって良くないの?
私はミートミール、肉副産物、家禽ミールは必ずしも悪いものではないと思っています。
メーカーの中には種類・部位を特定できるもののみ使用して単に「○○ミール」と表記してあらわしている場合もたくさんあるからです。
ただ、ペットフードの原材料の言葉の定義は、あいまいな部分やグレーの部分で作られているものも多いです。
この記事で説明してきたミートミールなどの言葉の定義はAAFO(The Association of American Feed Control Officials)「米国飼料検査官協会」の基準に基づいていますが、
AAFOはペットフードの認定機関でもありませんし、絶対にこれを満たしていなければならないというものではありませんので、AAFOが指定している部位以外を含めたり、逆に独自の基準で製造しているメーカーもあるかもしれません。
ですので、原材料にミートミールや肉副産物が使われている場合は、信頼できるメーカーや、きちんと▲▲ミート使用、あるいは○○不使用などと明記してある商品を選ぶと安心につながると思います。
↓ こんな風に、家禽副産物不使用などと明記してあります。
最後に
一般的にミートミール、肉副産物、家禽ミールなどが主原料だとフードの価格も比較的安価になります。
私が働いている店には、毎月お小遣いを握りしめて猫ちゃんの為にキャットフードを買いに来てくれる子供さんや、おそらく年金生活をされているであろうお年寄りの方もいらっしゃいます。
その様なお客様は比較的安価なフードを購入されることが多いですが、猫ちゃんを心から愛している様子が伝わってきます。
ですので「ミートミールが含まれているのを与えるなんて可哀そう」とか「肉副産物のものを買うなんて、、、」「もっと高いの買ってあればいいのに、、、」なんて決して思いません。
原材料にこだわると、いわゆる少し高めなフードが多くなるのは否めませんが、飼い主さんが、うちの猫ちゃんはどんなフードを喜ぶかな♪ うちの子はこのフードが大好きなんだよね♪と愛情持って選んであげたものが一番だと私は思うのです。
どんなに高いフードでも猫さんが食べてくれなければ意味はありませんしね。。。
参考になれば幸いです。