愛猫が突然、トイレ以外の場所で粗相をし始めてどうしていいかわからないと悩んでいる方は多いです。
- もう限界…
- この子嫌いになりそう…
- 気が狂いそう…
本当に辛いですよね。私も経験者なので、お気持ちすごく分かります。
猫の粗相には、さまざまな原因が考えられますが、適切な対処法を実践すれば必ず粗相の問題が改善できます。
環境の変化やストレス、健康上の問題などありますが、原因を特定するのが解決への第一歩です。
本記事では、筆者の経験も交えて猫の粗相の原因を詳しく解説していきます。
猫の粗相問題は必ず解決できますので安心して下さいね。
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猫が粗相する12の原因
猫が粗相する原因は以下のようなものがあります。
- 猫砂が不適切
- トイレの場所が不適切
- トイレが不潔
- 引っ越しや家具の配置変更
- 家庭内の人間関係の変化
- 泌尿器系の疾患
- 腎臓病や糖尿病
- 薬やサプリの副作用
- 加齢による身体や認知機能の衰え
- 分離不安
- マーキング行為
- しつけ不足
猫砂が不適切
猫砂が不適切とは次のとおりです。
- 猫の好みに合っていない
- 粒の大きさが適切でない
- 香りが強い
- 質感が猫の足に合わない
- 深さが足りない
猫は敏感な動物なので、猫砂の種類や質感にこだわりがあります。
猫の好みに合わない猫砂を使用すると、トイレの使用を避けるようになります。
猫砂の交換頻度が低いのも問題です。定期的に猫砂を交換し、清潔な状態を保ちましょう。
急に猫砂のタイプを変更すると、猫が戸惑ってしまう場合があります。好みの猫砂を選ぶためには、猫の様子を観察しながら1つづつ試すしかありません。
一般的には自然の土に近い、細かい猫砂を好む子が多いです
トイレの場所が不適切
トイレの場所が不適切だと猫はトイレを避けることがあります。
静かで安全な場所に設置することが重要です。
猫のトイレの不適切な場所とは次のようなケースです。
- 人通りの多い場所
- 騒音や振動のある場所
- 他の猫のトイレと近すぎる場所
- 食事場所や寝床と近すぎる場所
- 行きにくい場所
- 閉鎖的で狭すぎる場所
- 明るすぎる、暗すぎる場所
- 温度や湿度が不快な場所
猫の気に入らない場所にトイレを設置すると、猫がストレスを感じて粗相する原因になってしまいます。猫の好みや行動パターンを観察し、最適な場所を見つけるのが粗相防止につながります。
トイレが不潔
トイレの不潔さは猫が粗相する原因になります。
不潔なトイレは猫が不快と感じるだけでなく、衛生上の問題も引き起こします。トイレが不潔になる原因をいまいちど振り返ってみましょう。
- トイレ清掃が不十分
- 猫砂の交換頻度が不十分
- トイレ周辺が乱雑
- 排泄物の放置
猫のトイレが不潔だと猫がトイレを避けるようになり、別の場所で排泄してしまう可能性が高まります。
トイレを清潔に保つために、毎日の清掃と定期的に猫砂を交換しましょう。複数の猫を飼っている場合は、猫の数+1のトイレを用意するのことが大切です。
引っ越しや家具の配置変更
引っ越しはもちろん、家具の配置変更だけでも猫にとっては大きなストレス要因です。
慣れ親しんだ環境が変わると、猫は不安や混乱を感じます。新しい環境への適応不全や見慣れない場所でのストレス、なじみのあるにおいの消失などがあるからです。テリトリーの変化による新しい環境での安全な場所の模索も影響します。
環境が変わると猫は落ち着きません。トイレの位置や種類が変わると、猫は混乱してしまいます。環境の変化によるルーティンの乱れも、猫のストレスを高める原因です。工事の音やにおいに過敏に反応し、落ち着いて排泄できません。猫が新しい環境に徐々に慣れるよう配慮しましょう。
猫用のフェロモン製品を使用したり、お気に入りのおもちゃ、自分のにおいの付いた寝床を活用したりすると猫の不安を和らげることができます。
家庭内の人間関係の変化
家庭内の人間関係の変化は、猫の粗相行動に大きな影響を与えます。
新しい家族が増える(結婚、赤ちゃん)、長期不在だった家族の帰宅など環境の変化は猫にとってストレスになります。離婚や別居による家族構成の変化、新しいペットが増える、家族が亡くなる、介護が必要な家族が同居するなどの変化も該当します。
家族の変化により猫は不安を感じ、粗相行動が増える場合があります。猫は環境の変化に敏感な動物なので、家族間の争いや緊張関係なども敏感です。ストレス緩和のために、猫に対して特別な配慮をしてあげて下さい。安心できる環境を整え、十分な愛情を注ぐと猫のストレスを軽減できます。
定期的なスキンシップや充分な遊びの時間を設けるのも効果的です。猫の変化に気づき、適切なケアを行いましょう。
泌尿器系の疾患
膀胱炎や尿路結石症などの病気も猫のトイレ習慣に大きな影響を与えます。
猫もわざと粗相をしているのではなく、病気だから我慢できずに結果として出てしまうことがあるのです。泌尿器系の疾患があると次のような症状が出ることがあります。
- 頻繁なトイレ
- トイレ以外での排尿
- 排尿時の痛がり
- 尿の変化
これらの症状が見られる場合は速やかに獣医師に相談しましょう。
早期発見・早期治療が猫の健康を守るだけでなく、粗相の問題解決にもつながります。
泌尿器系の疾患にはさまざまな種類があります。膀胱炎や尿路結石症などが代表的です。泌尿器系疾患は、適切な治療を受けると改善する可能性が高いです。
ストレスも猫の泌尿器系の健康に影響を与えます。ストレスを軽減するための環境づくりも、粗相の予防に役立ちます。
腎臓病や糖尿病
腎臓病や糖尿病もトイレの外で排尿してしまう原因になると言われています。
腎臓病の場合、尿量が増加して頻尿になります。猫が通常のトイレまで我慢できずに粗相してしまう可能性が高いのです。糖尿病では、多飲多尿の症状が現れます。トイレに行く回数が急に増え、猫が変化に対応できず、粗相につながる場合も少なくありません。
病気による体調不良が原因で猫がトイレまで移動するのが難しくなります。普段使っているトイレまで行けずに、近くの場所で排尿してしまう可能性が高いです。腎臓病や糖尿病により尿のにおいや色が変わります。猫が自分の尿を認識できずに混乱し、トイレ以外の場所で排尿してしまう可能性も考えられます。
薬の副作用
病気の治療中に使用している薬が、排尿行動に影響を与えていることもあります。利尿作用のある薬を使用すると尿量が増えてトイレ回数が増加し、トイレまで行けずに近くの場所で排尿してしまうこともあります。薬を飲み始めてから粗相の症状が出た場合、処方してもらった獣医師に相談しましょう。
猫用サプリには利尿を促進するものもありますが、それらを与えている場合、一旦休止したり量を減らして粗相に影響しているか様子を見るのも良いでしょう。
加齢による身体と認知機能の衰え
加齢による身体機能の衰えは次のようなものがあります。
- 関節の柔軟性低下
- 筋力の衰え
- バランス感覚の低下
- 排尿機能の低下
- 認知障害
加齢による変化により、猫がトイレに行くのが困難になったり、トイレの中で体勢を保つのが難しくなったりします。
排尿機能の低下で尿意を感じにくくなる場合もあります。
また、加齢による認知機能が低下している可能性もあります。
高齢猫の場合、トイレの場所を近づけたり、低い縁のトイレに変更してあげるなどの対策が効果的です。猫用おむつを検討しても良いでしょう。
定期的な健康診断で関節、認知機能などに異常がないか確認しておくことは飼い主さんの精神面だけでなく、猫の生活の満足度にもかかわってきますので早めに対策してあげましょう。
分離不安
寂しがり屋で、飼い主さんの姿が見えないだけですごく不安になってしまう猫がいます。
一般的に早い時期に離乳した子に多いですが「分離不安症」という、精神的に不安定な状態です。
それだけ飼い主さんが好きというあらわれとも言えますが、その不安が粗相などの問題行動になってあらわれてしまうのです。普段はきちんとトイレができているのに、ベッドの上やドア近くにしてしまうことが多いと言われています。
ひとりで遊べるおもちゃを与える、お気に入りの場所を作る、外出時に「行ってくるね」などの声はかけない、飼い主さんが出かける時は大好きなおやつがもらえる時間だと関連付けるなど、ひとり時間も楽しいというポジティブな印象をつけていくなどの対策をしてあげましょう。
マーキング行為
マーキング行為は、猫が自分の縄張りを主張するための行動です。
尿を使って自分の存在をアピールする社会的行動のひとつです。マーキング行為が起こる理由は主に以下の3つです。
- 他の猫や動物の存在
- ストレスや不安
- 新しい環境や家具の導入
マーキング行為の特徴は垂直な面に尿をスプレーの様にかけ、特有の姿勢(尻尾を立てて震わせる)を取ります。少量の尿を複数箇所に残します。ほとんどはオス猫の行動ですが、メス猫でも起こります。
通常、去勢・避妊手術を行うとマーキング行為はありませんので手術も検討しましょう。
しつけ不足
猫の粗相の原因の一つに、しつけ不足があります。
猫はトイレトレーニングの苦労が少ない動物ですが、もともと外で暮らしていた野良ちゃん、外で排泄していた習慣がある子などは適切なトイレトレーニングを行わないと、猫は正しいトイレの使い方を覚えられないことがあります。
自然界で自由に暮らしてきた猫の年齢や個性、好みを考慮せずに、出来ないことを怒る、叩く、無理やり抑えつけたりなどのしつけ方法をしてしまうと猫はトイレ自体を「嫌なもの」「怖いもの」と認識してしまいます。
猫が粗相をした場合のクリーニング方法
猫が粗相をした場合のクリーニング方法をご紹介していきます。
- 汚れが付着した場所の掃除方法
- においを完全に消す方法
汚れが付着した場所の掃除方法
汚れが付着した場所は、素早く適切な方法で掃除しましょう。効果的な掃除方法を知っておくと、猫の粗相による汚れやにおいを最小限に抑えられます。
- ペーパータオルやトイレシーツで素早く汚れを拭き取る
- 洗えるものであれば、熱湯をかけて洗い流す
- 中性洗剤を含ませたスポンジで叩くように拭く
- 水をかたく絞った布でふき取る
動物病院で清掃バイトしてた時は、塩素系漂白剤(ハイターなど)を水で薄めたものをスプレーして拭いてました。
※汚れが付着した素材によって掃除方法が異なりますので注意して下さい。
UVライトを使用すれば、肉眼では見えない尿の汚れも確認でき、確実に取り除けるので非常に人気のアイテムです。
猫の尿のにおいを消す方法
猫の尿のにおいを消す方法はクエン酸を使い、中和します。
猫の尿はアルカリ性なので、クエン酸の酸性で中和させると消臭効果があります。
- スプレー容器に200mlの水+5gのクエン酸を入れてよく振る
- 猫が粗相した場所に吹きかける
- 自然乾燥させる(乾きにくいものは乾いた布などでふき取る)
活性炭フィルターを使用すると、空気中の臭い分子を吸着して除去できます。部屋全体の空気をきれいにするのに役立ちます。においが強い場合は、オゾン発生器の使用も効果的です。オゾンは強力な酸化作用があり、においの原因物質を分解しますが、使用する際は換気に注意してください。
新鮮な空気を取り入れると、室内に滞留したにおいを外に出せます。
猫の粗相に関するよくある質問
猫の粗相に関するよくある質問と回答をまとめました。
- 猫は何歳から粗相が増える?
- 粗相とマーキングの違いは?
- 多頭飼いは粗相しやすいの?
猫は何歳から粗相が増える?
猫の粗相は一般的に7歳以上の高齢になると増える傾向があります。加齢による身体機能の低下が原因です。加齢による身体機能の低下の症状は以下のとおりです。
- 関節炎や筋力低下でトイレまで行くのが困難になる
- 認知症の初期症状として現れる
- 腎臓病や糖尿病の影響を受ける
高齢猫はストレスや環境変化に敏感になるので、粗相につながります。個体差が大きいため、必ずしも年齢だけで判断はできません。突然粗相が増えた場合は、健康上の問題がある可能性が高いです。
定期的な健康診断と適切なケアが大切です。愛猫の様子を観察し、変化に気づいたら早めに獣医さんに相談してください。
粗相とマーキングの違いは?
粗相とマーキングは、一見似ているように見えますが、全く異なる行動です。粗相は排泄物を適切な場所以外に排出することを指しますが、マーキングは縄張りを示すための本能的な行動です。
両者の違いは、姿勢、場所、原因、量、頻度、意味などの点に表れます。
粗相は座った姿勢で床や平面で行われ、健康問題やストレスが原因なことが多く、普通の排泄と同じ量の尿や便を排出します。突発的に起こる傾向があり、猫の不快感の表れです。
マーキングは立った姿勢で壁などの垂直な面に少量の尿をスプレーします。本能的な行動であり、定期的に行われることが多く、自己主張の表現です。
愛猫の行動の意味を正しく解釈し、適切な対応を取りましょう。粗相の場合は問題解決が必要ですが、マーキングは去勢・避妊で改善できる可能性が高いです。
猫はオスも座ってトイレをします。
カーテンや壁など、垂直なものにするのはマーキングよ
多頭飼いは粗相しやすい?
多頭飼いだと粗相をしやすくなるわけではありませんが、複数の猫がいる場合、弱い猫が強い猫に遠慮してトイレを我慢してしまうなど、粗相の原因を作ってしまう状況があります。
複数トイレの設置は、猫の粗相を防ぐ効果的な方法です。猫の数よりも多くのトイレを用意しましょう。猫の数に1を足した数のトイレを設置するのがおすすめです。家の異なる場所にトイレを配置し、各階に少なくとも一つのトイレを置きます。
設置する際は、トイレ間の距離を適切に保つのが大切です。あまり近すぎないようにしましょう。
静かで人通りの少ない場所を選び、猫が好む場所や頻繁に利用する場所の近くに設置するのが効果的です。
可能であれば異なるタイプのトイレ(ボックス型、もぐる形式、システムトイレ、カバー付き、自動清掃式など)を用意し、好みのトイレを探してみましょう。
まとめ
猫の粗相が続くと飼い主さんも精神的にまいってしまいますよね。
原因を特定して適切に対処すれば必ず改善できますので安心してください。
環境改善やトイレトレーニング、健康診断を通じて解決を目指しましょう。
粗相した場合は迅速に適切な方法で掃除し、専用の製品でにおいを消すのをおすすめします。
年齢や状況によって粗相の傾向が変化する可能性があるので、常に注意を払いましょう。
マーキングと粗相は区別して対処することも大切です。
愛情を持って粘り強く対応すると、必ず猫との良好な関係を維持しながら問題を解決できますので安心してください。