猫との生活で悩ましい問題の一つが、猫砂の飛び散りです。
気づくと部屋中に猫砂が散らかってる…
散らばる猫砂を掃除するのは、忙しい飼い主さんにとって負担に感じることもありますよね。
筆者は多頭飼いで猫トイレを4つ設置しています。そこで、色々試行錯誤してきた経験を踏まえ、猫砂が飛び散る原因や効果的な防止策、トイレ環境の改善方法までを幅広く紹介します。
猫砂が散らかるお悩みが解消されますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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猫砂の飛び散りに関する基礎知識
猫砂の飛び散りは、多くの飼い主さんが直面する悩みです。
猫は天敵から身を守るために排せつ物を隠す習性があり、その習性は室内飼い猫にも受け継がれています。
室内飼いでは、猫砂の種類や体格、室内環境なども飛び散り具合に影響します。
猫砂が飛び散る原因
猫砂が飛び散る原因が分かれば効果的な対策ができます。
まずはご自宅の猫砂が飛び散る原因になっている理由を、愛猫の行動とトイレ環境の両面からよく観察してみましょう。
- トイレのふちが低い
- 猫砂の粒子が軽すぎる
- 猫砂の量が多すぎる
- トイレの大きさが小さすぎる(猫に合っていない)
- 複数の猫が同じトイレを使用している
- そもそも猫の砂掘り動作が激しすぎる
- 猫が勢いよくトイレから飛び出している
- 猫が遊び感覚で砂をかき出している
- 何らかのストレスや不安を抱えている
猫トイレのふちが低いと猫が砂をかいた時に、どうしても猫砂は飛び散りやすくなります。
紙製の猫砂は運びやすい、安価などのメリットもありますが、それゆえに軽くて散らばってしまう傾向があります。あまりに飛び散ってしまうなら種類の変更を検討してみましょう。
猫砂はトイレの底から5センチ程度の深さまでたっぷり入れるのが適当です。少なすぎるのはNGですが、逆に多すぎると飛び散る原因になるので適量か確認しましょう。
複数猫でトイレを使用している場合、神経質な子や自分のにおいを隠したい子がいつまでも砂をかくことで砂が飛び散りやすくなります。多頭飼いの場合、猫の数プラス1個が理想ですので、充分な数のトイレを用意してにおいストレスを減らすことも必要です。
排泄物は究極の個人(個猫)情報だからね!
排泄後に飛び出す子は猫砂が気に入らないサインです。感触、におい等に不満があって触りたくないので勢いよく出て肉球についた猫砂が飛び散るのです。その子の好みの猫砂を探してあげることが大切です。
猫の砂掘り動作が激しすぎるのは多頭飼いやストレスを抱えている子におこりがちなケースです。トイレは猫の数プラス1個が理想です。多頭飼いの場合、トイレ環境を整えることで激しく砂をかき過ぎることによる飛び散りを軽減できる場合があります。
猫砂の飛び散り防止に効果的なトイレの種類
猫砂の飛び散りを防ぐために、トイレの形状を変更することで解決できる場合があります。
以下のようなトイレを選ぶと、猫砂が飛び散る悩みを解決できます。
- カバー付きトイレ
- 高い壁のあるトイレ
- 入口に扉があるトイレ
- 上から入るトイレ
- 入口が横についているトイレ
- おまる式のトイレ
猫の性格や生活環境に合わせて、最適なトイレを選びましょう。
カバー付きトイレ(ドーム式)
カバー付きトイレ(ドーム式)は、猫が砂をかいても内部で砂がおさまるので飛び散りが防げます。後方だけでなく、天井方向まで飛び散るケースもあるので激しくかく子にもカバーがあれば安心です。
デザイン性が高いものもあり、インテリアになじみやすいことも飼い主さんに人気です。
もし、猫ちゃんがカバー付きトイレを気に入ってくれなかった場合もカバーだけ外して使えるので一度試してみるのもおすすめです。
猫にとってはプライバシーを確保できる反面、においがこもって嫌がる子もいます。
壁が高いトイレ(深型)
20cm以上の高い壁のあるトイレ(深型)もおすすめです。壁が高ければ高いほど、猫砂の飛び散りは少なくなります。
壁の高い猫トイレは猫砂の飛散を防ぐだけでなく、においを閉じ込めるためにも効果的です。大型猫にも向いているトイレです。
壁が高い分、入口も高い位置の作りになっているトイレが多いです。
入口に台やステップを置いてあげると猫ちゃんが入りやすくなります。
大型猫用のトイレも壁が高いのでおすすめ!
入り口に扉があるトイレ
出入口に扉があるトイレなら猫砂の飛び散りを防止してくれます。
基本的に、扉があるトイレはカバータイプ(ドーム式)になるのでカバーにプラスして、さらに猫砂の飛び散り防止が期待できます。
トイレ後にハイになって(通称トイレハイ)飛び出す子や、猫砂の感触が気に入らなくてジャンプして飛び出しがちな子にも効果的です。
上から入るトイレ
縦型で上から入るタイプのトイレは猫砂の飛び散りを防止できます。
ふた(屋根)も付いているのでにおいも広がりにくいです。
排泄後は猫がふた(屋根)に乗って出ることになるので、猫の足裏についた砂を凸凹のふた(屋根)が一旦キャッチしてくれるのも嬉しいポイント。
猫にとってはプライバシーを確保できる反面、においがこもり嫌がる子もいます。
飼い主さんが排泄物の存在に気付きにくい場合があります。
わざわざ登らなくてはならない構造上、シニアや子猫には向いていない場合があります。
入り口が横についてるトイレ
入口が横(長い辺)についているトイレなら、猫が砂かきする方向には全部壁のため、猫砂の飛び散りを防止できます。
ほとんどの猫は、トイレの中で自分の体長が楽な短い辺の方向を向いて用を足し、その後に砂をかけます。余程大きなトイレでない限り、トイレの中で横向きに用は足しません。
入口が横(長い辺)についているということは、猫が排泄する方向(短い辺)は壁になっているので、排泄後に砂をかいてもトイレの中で砂はおさまり、飛び散りを防止できます。
おまる式の猫用トイレ
猫用の「おまる」形式のトイレがあるのはご存じでしょうか。
猫本来の習性である「砂をかく」という行為を人間の都合で封印してしまうトイレなので賛否ありますが、トイレの構造上、猫砂の飛び散りがかなり解消されると評判です。
猫が排泄物を踏むことが無いので衛生面でも安心というメリットもあります。
実際に使っている方たちの評判は非常に良いのでレビューを確認してみて下さい。
猫によってはストレスを感じてしまう子もいるので様子を見ながら導入しましょう。
猫砂の飛び散りを防止するためのトイレ周りの工夫
猫砂の飛び散り防止には、トイレ周りの環境を整備することも効果的です。
トイレマットの使用やトイレの位置に工夫をすることで対策ができます。
先述したトイレの種類を考えることと同時に様々な工夫を組み合わせると、より効果的に対策できます。
- トイレマットを使う
- 入口を壁に近づける
- カバーをする
- 砂をかえてみる
トイレマットを敷く
トイレマットは、猫砂の飛び散り対策の定番アイテムです。
トイレの出入り口や周囲に敷くことで、猫の足についた砂を効果的にキャッチできます。シリコンなどの丸洗いできる素材が衛生的でおすすめです。
トイレの周囲を十分にカバーできる30センチ以上の大きめサイズがおすすめです。
人気のトイレマットは二重構造のものです。下の層で砂をキャッチしてくれます。溜まった砂は上のカバーをめくって捨てるだけなので、とても簡単です。
実は、3辺とじてある袋状のタイプは掃除がしづらいよ…
両サイドがはがせるタイプが便利でおすすめ!
トイレの入り口を壁に近づけて置く
壁に近づけて設置すると、猫が砂を蹴り散らす範囲を制限できます。
壁が高いトイレやカバーがあるトイレ限定の策ですが、猫トイレの置き方を工夫するだけでも猫砂の飛び散り防止ができます。
猫が出入りする入り口を壁に向けて置きます。出入り口のすぐ前に壁があるので、猫は勢い良く飛び出てくることはありませんので砂の飛び散りが少なくなります。
壁とトイレの間は15cm程度開けておけば、猫の出入りには問題ありません。
砂が多少飛んだとしても15cmほどの範囲しか散らかりませんので、掃除がとても楽になります。
カバーをする
今使っている猫トイレをいかすなら、カバーをすることで猫砂の飛び散り防止ができます。
汚れがついてもサッと拭けるのも嬉しいポイント。
猫トイレを大きめの段ボールにすっぽり入れる方もいます。猫がまたげる高さで入口のところを少し低めにカットするといいですよ。
最近はインテリアにマッチするおしゃれな家具的カバーもたくさん販売されています。
崩れる砂にかえる
猫砂を替えることを検討しているなら、崩れる猫砂を試してみるのもおすすめです。
システムトイレ限定になりますが、おしっこに濡れるとオガクズ状に崩れる猫砂があります。
崩れた砂は下の引き出しトレイにたまっていきます。
やや大き目の砂で猫の好みがわかれますが、飛び散りは少なくなります。トイレのにおいも軽減できるので根強い人気の猫砂です。
猫砂の飛び散り防止に関するよくある質問
猫砂の飛び散り防止に悩む飼い主さんからの、よくある質問と回答をまとめました。
部屋中に猫砂が散らばるのはなぜ?
なぜこんな所に猫砂が!?と思うことあるよ
猫トイレとは離れた場所に猫砂が落ちていて驚くことありますよね。
その理由は、砂が猫の指の間や肉球についたまま猫が部屋の中を歩き回るからです。
トイレ後にハイになって(通称トイレハイ)部屋中走り回る子も多いので、その勢いで思いがけず高い場所に飛んでいることすらあります。
猫がトイレから出た時に猫砂がキャッチできるようなマットを敷いたり、猫砂が足裏につかないタイプのトイレ(おまるタイプなど)を使うと部屋中に飛び散るのを防ぐことができます。
安全な素材の猫砂は?
小さなお子さんがいると誤飲やほこりなど気になることもありますね。
その中でも、私が飼い主さんからよく受ける質問は「猫砂が付いた肉球を舐めて(飲み込んでる)るから心配!!」ということ。特に子猫や療養中の子には気を配ってあげたいですね。
気になる場合は以下のポイントに注意して安全な素材を選びましょう。
- 香料不使用
- 漂白剤不使用(紙製に使われていることが多い)
- 固めるための添加剤不使用(糊や凝固剤が入っていないもの)
「木製」のものは化学物質を添加していないものが比較的多く安全です。
いっそ猫砂なくしてシートだけにしていい?
シートだけにするのは可哀相です。砂がなくなると猫にはストレスになるでしょう。
排泄物を埋めることは野生の名残で、敵に自分の生活スタイルや場所などを知らせない目的があります。シーツではこの本能を満たせないため、トイレ以外の場所に排泄してしまう可能性が高くなります。
カバー付きのトイレや、出入口に飛び散り防止のマットを敷く、飛び散りにくい砂に変えるなど猫用グッズをいろいろ探してみて下さい。
砂では無く壁や別の場所をかいているのはなぜ?
排泄後、砂じゃない所を一生懸命にかいてるんだけど
壁やトイレ本体をカリカリかく子も多いですね。
猫が砂をかいて排泄物を隠すのは、排泄物そのものを隠すというより、ニオイを消すためにする行為です。
ところが、砂そのものが猫の嫌いな香料がついていたり、感触や嫌な場合、触りたくないので砂ではなく周りをかいてしまいます。気持ちは埋めたい、でも触りたくなく…となり、結局埋めることができないのです。
猫が別の場所をかいているなら、粒の大きさ、素材など、その子の好みの猫砂を根気よく探してあげましょう。
まとめ
猫砂の飛び散りは、猫の本能からくる行動なので、ある程度は仕方がない事として許容する必要があります。
とは言え、猫砂の飛び散防止をすることは快適に生活するために重要ですね。
適切なトイレを選んだり、トイレ周りの環境を工夫する、猫砂の飛び散りの問題を大幅に改善できます。たとえばトイレマットの使用や適切な配置で飛び散りを軽減できます。
さまざまな対策を組み合わせ、猫砂の飛び散りを効果的に防いでいきましょう。
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