さいたま市動物愛護ふれあいセンター主催の「猫の老後ケア」と言うセミナーに行ってきました(2018年3月)のでご紹介しますね。
講師はさいたま市で動物病院を開業されている、獣医師の赤木みさき先生です。
猫は、どうしてもかかりやすい病気や年齢があります。
その中でも代表的な病気の種類は11もあるそうです。
猫さんがそれらに苦しむ前に発見してあげたいですよね。
猫さんは病気を隠しますが、サインがあるので見逃さない様にしましょう。
ひとつづつご紹介します。
猫の代表的な病気のサイン 風邪のような症状
猫さんが風邪をひいたような様子だったら注意です。
熱が高い、これは明らかにおかしいですね。
すぐに病院に連れて行く必要があります。
これ以外で、猫ちゃんが以下の様な症状でしたら注意をする必要があります。
風邪のサイン:呼吸が荒い、食欲不振、下痢、鼻水、口呼吸
この中でも、下痢と鼻水は特に注意が必要です。
猫の代表的な病気のサイン 下痢
下痢とは水の様な水溶性の便です。
死に直結します。非常に危険です。脱水症状になるからです。
下痢にはいくつか種類があります。
・一過性下痢(食べ過ぎ、ストレス、変わったものを食べた)
・持続性下痢(大きな病気が隠れている、食物アレルギー、ストレス)
・小腸性下痢(真っ黒いまたは褐色便、痩せてくる)
・大腸性下痢(しぶり腹、粘鮮血便)
・感染症下痢(エイズ、白血病、猫汎白血球減少症)
・寄生虫による下痢(回虫など)
猫に水を飲めと言っても飲むわけありません。
脱水症状になる前に、すぐに病院に連れて行きましょう。
下痢までいかない軟便は、食物アレルギーの可能性もあるそうです。
脱水症状になるサイン:水の様な水溶性の便
猫の代表的な病気のサイン 鼻水・口呼吸
猫は口で呼吸をしない動物です。
鼻水、鼻づまりがあったら、口を開いて口呼吸にならざるを得ません。
つまり、口呼吸をしている状態だったら、猫はかなり辛い状態になっていることを意味しています。
すぐに病院に連れて行きましょう。
体調がかなり辛いサイン:口呼吸をしている
猫の代表的な病気のサイン 心臓病
猫がなりやすい病気に心臓病があります。
この病気の可能性がある場合、以下の様な症状が現れます。
鼻水、舌が白い、息切れ、すぐに疲れる、食事量が減る、痩せる、むくみ、心音心拍異常
心臓病の可能性があるサイン:鼻水・息切れ
この様な症状があったら病院でしっかり診てもらいましょう。
猫の代表的な病気のサイン 内分泌疾患
猫さんが急に怒りっぽくなった。
そんな事も病気のサインかもしれません。
これは甲状腺機能に異常がある、甲状腺機能亢進症という可能性があります。
検査をしてよく調べてもらいましょう。
その他に、皮膚疾患・肥満という原因から来ている場合もあります。
皮膚がかゆくいからイライラして怒りっぽくなってしまうのです。
ちなみに、生まれつき攻撃性の強い遺伝子を持っている猫さんはいるそうです。
飛びかかかってきたりとか、、、
性格ではなくて遺伝子なので対応がなかなか難しそうですね。
内分泌疾患の可能性があるサイン:急に怒りっぽくなった
猫の代表的な病気のサイン 脳障害
いわゆる「てんかん」の症状です。
猫の場合、子供の時に分かります。
この症状があっても大人まで生きる子も多いので絶望することはありません。
遺伝することもあるので、繁殖は避けた方が良いとも言われます。
気温の変化が引き金になって起きたりもします。
気をつけて見てあげたいですね。
脳障害の可能性があるサイン:てんかんの症状が出る
猫の代表的な病気のサイン 尿路疾患・膀胱炎・結石症
尿路疾患・膀胱炎・結石症は、その病気専用のキャットフードがある位、良く聞く猫の病気の一つです。
猫はトイレを我慢したり、尿を体内に溜め込むので、どうしてもこのトラブルが多いです。
膀胱炎は湿気が多いとなりやすい傾向でもあるそうです。
また、膀胱炎は再発頻度が高いです。
ストレスも影響します。
おしっこの色や回数、量をチェックしてあげましょう。
尿疾患の可能性があるサイン:おしっこの色が濃い、血が混ざる、排尿時に痛がって鳴くなど
猫の代表的な病気のサイン 肥満・糖尿病
家の中で飼っている猫さんは、どうしても運動量が少ないので、肥満や糖尿病になりやすい傾向があります。
イライラすると食べる癖がある等、ストレスも原因になっているそうです。
(我が家の猫もそうです。犬とやりあった後や掃除機掛けの後に食べまくる傾向が、、、)
食事の量や内容の管理、毎日思い切り遊んであげるなど、人間が気にかけることでできる対策がありますね。
糖尿病の可能性があるサイン:体重増加など
猫の代表的な病気のサイン 口内炎
猫さんは口内炎になりやすいということもよく聞きます。
口内炎になる原因はいくつかあります。
・腎不全、ビタミン不足、ウイルス感染後の症状
・難治性、または免疫疾患の口内炎
難治性の場合、全抜歯をすることになります。
歯を抜いても猫さんは食事はできる様ですが、最後まで自分の歯で食べさせてあげたいですよね。
食事をするのが辛そうじゃないかなど、見守る習慣をつけたいですね。
口内炎のサイン:食事が辛そう、食欲が落ちた、口臭がする等
猫の代表的な病気のサイン 根尖(こんせん)膿腫
根尖(こんせん)膿腫とは、歯の根や周辺に炎症(歯肉炎、歯槽膿漏など)が起きる病気です。
進行すると口の中ではあき足らず、皮膚を押し上げて表から見ても分かるくらいに腫れてきます。
歯磨きをしてあげたり、柔かい食事ばかりではなく適度な硬さのカリカリをあげる(歯石を取れやすくする)などの注意をしてあげたいですね。
根尖(こんせん)膿腫のサイン:口の周りの皮膚が盛り上がってきた
私は以前飼っていた猫に、歯磨きジェルを使っていました(歯磨きはなし)。
左右の奥歯に一滴づつ垂らすだけなので非常に簡単でした。
普段は気が強く、抱っこも嫌いな猫でしたが、食事直後は満足感でゆったりしているので、ジェルを垂らす時は全く抵抗せずに毎回すんなりできましたのでオススメです。
猫の代表的な病気のサイン 慢性腎臓病
猫の病気と言えば慢性腎臓病がトップに上がるくらいに非常に多い病気ですが、未だ特定の原因が分かっていません。
慢性腎臓病の進行と症状は以下の通りです。
元気(ステージ1)腎臓機能残70%
↓
多飲・多尿(ステージ2)腎臓機能残25〜30%
↓
食欲低下・毛ヅヤの悪化・嘔吐・元気消滅・貧血(ステージ3・4)腎臓機能残10%
非常に残念なことに、症状に気が付いた時には、腎臓機能の70%が失われていることが多い実情です。
腎臓病を克服できたら、猫の寿命は30年になると言われているそうです。(原因・治療法が見つかることを切望します)
また、症状も分かり辛く、高齢化の症状と混同されがちです。
原因が分かっていないので、予防的対応が取りにくいですが、それでも今できる対策をしましょう。
・まめにトイレに行ける環境を作ってあげる。
・猫は、トイレが汚いと尿意を我慢してしまうので、すぐに汚物を片付けてあげる。
・すぐに片付けできそうにない日などは、ワンルームなど狭い部屋でもトイレを2つ置いてあげる。
・病院で早めに調べる。
こういった対策が必要です。
食事はリンの少ないものにする事が重要です。
(腎臓病を恐れて普段から腎臓病専用のキャットフードにするのはナンセンスです)
慢性腎臓病のサイン:多飲・多尿、食欲低下、毛ヅヤが悪いなど
猫が病気になりやすくなる年齢は?
猫さんは7〜8歳になったらシニアの域だそうです。
まだまだ若い様な気がしますが、7〜8歳は人間年齢にすると45歳くらいです。
この位の年齢になると人間でも悪い所が出てくる割合も多くなります。
猫さんも同じで、この域に達したら病気になる傾向も高くなります。
元気な場合でも、このくらいの年齢になったら、今まで以上に注意して見守り、ケアをしていく必要があるということですね。
猫は病気を隠します。
元気なフリをします。
(犬は人にオーバーに訴えるので、かなり分かりやすそうです)
目に見えて体調が悪くなったので病院に連れていったら、残念ながら手遅れだった、、、というケースも多い様ですが、それでは悲し過ぎます。
悔やんでも悔やみきれません。
ですので、猫さんの場合、体調不良の発見が非常に重要になってくるのです。
まとめ
以上、11項目にわたり、猫さんがなりやすい病気をご紹介しました。
猫さんは寝ていることが多いので具合が悪い事にも気づきにくいかもしれません。
また、元気なふりをするので、病院に連れて行った時には、かなり進行しているというケースも多い様です。
でも、猫さんの変化に気づくことができるのは、毎日一緒に居る飼い主だけです。
毎日コミュニケーションを取って、小さな変化にも気づいてあげられる様にしたいですね。
次の日記では高齢の猫に多い病気や気をつけてあげたい事についてご紹介したいと思います。
>>食事の内容だけでは不十分!猫がシニアになったら気をつけてあげたい事