病院が嫌いな猫さんは多いですね。
暴れてしまうので連れていけないという飼い主さんも沢山います。
とは言え、病院に行かなければならない場面もたくさんあります。
そこで、今回の記事では有料会員制「まなびばsippo」のねこクラスで獣医師の入交眞巳先生から学んだ内容をシェアしたいと思います。
・暴れてしまって病院に連れていけない猫さんの対処法
・病院に連れていった時にストレスを減らす方法
・病院嫌いにさせない、普段から飼い主ができること
をご紹介していきます。
※有料会員制「まなびばsippo」のねこクラスは2022年5月31日で終了しました。
猫はなぜ病院が嫌いでストレスになるの?
猫は2歳児くらいの知能があり、9歳児くらいの学習能力があるといわれています。
- 知らない犬に会った→ 怖い、嫌。
- 知らない猫に会った→ 怖い、嫌。
- 知らない人に抑えられて動けなかった→ 超こわい。
- 痛い経験をした→ 二度と行きたくない。
- キャリーで行った→ 二度とキャリーには入りたくない。
学習能力がある猫さんは、この様に病院での経験を「怖い」記憶として覚えているのです。
でも、猫が病院嫌いになって連れていけないかなら仕方ないか。。。
と諦めないで下さい!
・病気の発見が遅れる
・診察台の上で攻撃的になり治療ができない
・興奮して病気が悪化する
・逃走、ケガなどの危険
この様なリスクが増えてしまいます。
猫を病院嫌いやストレスから守る!暴れずに連れていく対策
猫が病院を嫌って暴れて連れて行けないというケースはよく聞きます。
洗濯ネットを使って無理やり捕まえるという方もいらっしゃいますが、今度は洗濯ネットを見ただけで逃げ出してしまうかもしれませんね、、、
この記事では暴れる猫さんをリラックスさせて病院に連れていく方法をご紹介します。
キャリーにフェロモンスプレーをかけておく
猫さんをリラックスさせる為に、フェロモンスプレーを使ってみるという方法があります。
猫は頬を擦りつけることで自分の居場所としています。
それを利用して、猫の頬のフェロモンを人工的に作ったスプレーをキャリーに吹きかけておけば、キャリーが安心できる場所だと伝えることができます。
このフェロモンスプレーは動物病院でも使われている安心できる成分で、副作用の無い、効果も期待できるものです。
サプリメントを利用する
あまりにも緊張する子は、抗不安効果のあるサプリメントやお薬を使う方法もあります。30分~1時間前に飲ませることで不安を和らげることができます。
成分は牛乳でできているので安心です。このサプリでリラックスする子は多いそうです。
動物病院でも販売していることがありますのでかかりつけ医に相談してみても良いと思います。
猫を動物病院嫌いにさせない 暴れない怖がらせない対策
猫さんが大嫌いな病院に着いたら、怖い気持ちを少しでも緩和してあげたいですよね。
待合室や診察室で私達飼い主ができる対策をご紹介します。
猫を動物病院嫌いにさせない 病院の待合室での6つの工夫
キャリーの中には猫さんが安心できる自分のにおいのついたタオルやブランケットを入れてあげましょう。
待合室では猫さんが入っているキャリーを床ではなく膝に置いてあげるようにしましょう。低い位置にいると犬や他の猫と目があったり、人の足しか視界に入りません。猫さんはより不安になってしまいます。
また、「ここに隠れてていいよ」という感じにタオルをかぶせるなど目隠しをしてあげましょう。
おやつを持参するのも良いです。待合室でも大好きなおやつを与えて「ここは楽しいかも」と思ってもらえるようにします。
車で行けるのなら、車内で待機するのも猫さんの緊張時間が短くなるのでおすすめです。
病院スタッフに話しておけば順番が来たら呼んでくれるはずです。
キャットフレンドリークリニックを選択するのも良いです。
待合室が犬と分かれていたり、猫さんに配慮した様々な基準をクリアした作りになっているので、ストレスや緊張はより少なくなるはずです。
猫を動物病院嫌いにさせない 診察室での4つの工夫
「静かにしてて!」とか「コラ!」「ダメ!!」などと言わないようにしましょう。
猫さんは何も悪くありません。
「静かにしてね~」「大丈夫だよ~」など優しく語りかけます。とにかく猫さんの気持ちに寄り添うことが大切です。
猫の頭をなでて、飼い主さんの方に集中させましょう。
診察内容によりますが、タオルを頭にかけて病院の中を見せない方法もあります。
処置している間に大好きなおやつやフードをあげ続けるのも有効です。ワクチン接種などで来院する場合は問題ないとのことです。
猫を動物病院嫌いにさせない 家でのトレーニング
病気でなくても、動物病院とのお付き合いは続きます。
病気嫌いを少しでもストレスなく、嫌な場所ではない、怖くないと思ってもらえるように、普段の生活の中でできる工夫をご紹介します。
普段からキャリーを部屋に置いておく
飼い主さんがキャリーをゴソゴソと用意し始めると、猫さんは敏感に察して隠れてしまうことがよくあります。
キャリー=嫌な場所 という記憶ができてしまっているので、この記憶を上書きしてあげましょう。
そのためには、キャリーは出かける時に出すのではなく、普段から猫さんがいる部屋に出しておきましょう。
そして、キャリーの中や付近でおもちゃで遊んであげたり、おやつをあげたり「楽しい場所」と認識させてあげるのです。
キャリーにとどまるトレーニングをする
自分からキャリーに入り、中にいると「いいことがある!」と学習させましょう。
猫さんが大好きなお菓子やフードをキャリーの中であげることを繰り返すのです。
おやつはキャリーの中だけであげるというルールを作るのもいいかもしれませんね。
自分からキャリーに入ることに慣れてきたら扉をそっと閉めることも試してみます。
キャリーを持ち上げるトレーニングをする
扉を閉められるようになったら、キャリーは「動くことがある」と学習させます。
人間も自分の居る場所がいきなり動き出したら焦りますが、エレベーターの様に「この箱は動くもの」という認識があれば毎回パニックにはならず当然の様に受け止めます。
猫も同じです。キャリーは「動くことがある」と学習していればパニックで暴れたりしません。
猫さんが入ったキャリーを優しくそっと並行に持ち上げ「動くことがある」というトレーニングをしましょう。
また、無理強いしない範囲で、家族以外の人に遊んでもらったりして人に慣れてもらうのも有効な方法です。
- キャリーは病院に行く時だけではなく、普段から部屋に出しておき、遊び場にする
- キャリーの中は美味しいフードやおやつが沢山ある場所と記憶させる
- キャリーに長いあいだ閉じ込めない
- キャリーを持ち上げ、動くことを認識させる。
最後に
猫さんは病院嫌いの子が多いです。むしろ好きな子の方が珍しいです。
ですので「病院好き」になることは難しいですが、私達飼い主ができる工夫で、病院へ行ったり待合室でのストレスを減らしてあげることはできます。
長生きするためには病院へ行くことは必須ですので、焦らずにゆっくりゆっくり試してみて下さいね。
・キャリーや病院は怖くないと学習させる
・無理強いしない、しかる様なことはしない
・キャリーや病院で大好きなおやつを与える
・なるべく家族以外の人とも触れ合う機会を作って人に慣れてもらう