うちの猫、布団の上でトイレしちゃうの…
- 愛猫が布団でトイレをして困っている
- 何度注意しても改善されず、ストレスを感じている
- 清潔に保つのが大変で、匂いも気になる
猫は大切な家族ですが、ときに悩ましい行動をとる場合があります。とくに布団でトイレをされると、後片付けが大変ですよね…。
この記事では、猫が布団でトイレをする理由や癖が治らない原因、対処法を解説します。記事を読んでいただくと、愛猫との良好な関係を保ちながら、問題を解決するヒントが見つかります。
結論から言うと、猫が布団でトイレをする主な理由は、ストレスや健康問題、環境の変化などです。
あなたの愛猫が布団の上でトイレをする原因を特定し、適切な対処法を選んでいきましょう。
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猫が布団でトイレをする理由
猫が布団でトイレをする問題は、多くの飼い主さんを悩ませます。猫が布団でトイレをするのには複数の理由があります。
- 行動学的な要因
- 環境的な要因
- 健康の問題
- 心理的な問題
必ず解決するから大丈夫!一緒に原因を探っていきましょう
問題解決には、原因を理解して適切に対処することが重要です。
行動学的な要因
猫が布団でトイレをする理由に、行動学的な要因が関係していることがあります。
猫は縄張り意識が強い動物です。布団に匂いをつけて、自分の縄張りを主張する本能が要因の一つと考えられています。
多頭飼いの場合、特にその傾向がみられます。ライバル視している同居猫が、自分の好きな快適な場所を独占しているのが気に入らず、自分の匂いをつけて縄張りを主張することがあります。後から来た子が、大好きな飼い主さんの匂いがする布団を占領しているなら、なおさら我慢できなくなります。
自分の存在をアピールしてるってことか…
一度布団での排せつを覚えると、習慣化してしまう可能性もあります。
環境的な要因
猫が布団でトイレをしてしまうのは環境的な要因が影響していることがあります。
- トイレの場所や数が適切でない
- トイレの種類や大きさが合っていない
- トイレが清潔でない
- トイレ周辺の温度が適切でない
- 騒音や臭いの問題がある
- 季節の変化や引っ越しによるストレスがある
- 布団の素材や香りに魅力を感じている
- 新しい環境に適応できていない
- 家具の配置変更で混乱している
環境的な要因を理解したうえでの適切な対処が欠かせません。
上記の中に当てはまる要因がないか確認してみましょう。
» 猫のトイレの理想的な場所選びを解説
トイレ周辺の温度も重要!
寒すぎる(暑すぎる)トイレには人間だって行きたくないよね
布団のある場所が家の中で唯一快適な空間になっていないか環境の確認をすることも重要です。
実は私も布団でしちゃったことあるの。ぬくぬくして気持ちよかったからつい…
人間の子供がおねしょをしてしまうことがあります。あたたかい(涼しい)場所から動きたくないのは人間も猫も一緒。ピンポイントエリアの温度調整ではなく、ある程度広い空間を快適な温度に保ってあげる環境対策が必要です。
健康の問題
健康に問題がある場合も、猫が布団でトイレをする理由の一つです。猫が体調不良の場合、トイレを正しく使えなくなる可能性が十分にあります。具体的に考えられる健康問題とは次のようなものがあります。
- 泌尿器系の疾患
- 消化器系の問題
- 関節炎や骨格系の問題
- 認知症や脳の疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 糖尿病
- 腎臓病
健康問題によって痛みや不快感が引き起こされると、トイレの使用が困難になります。
膀胱炎や尿路結石は排尿時の痛みを伴うので、「トイレ=痛みが発生する場所」と猫にインプットされてしまいます。そして「柔らかい布団=快適な場所」と認識し、トイレとして選ぶ傾向あります。
ストレスによる過敏性腸症候群や寄生虫感染、ホルモンバランスの乱れなども、トイレ問題の要因です。
猫の健康問題が疑われる場合は、早めに獣医師に相談してください。適切な治療を受けると、トイレの問題を早期に改善できる可能性があります。
» 猫の健康診断ガイド
心理的な問題
猫が布団でトイレをする心理的な問題として、分離不安や安心感の欠如もあげられます。
ストレスや過去のトラウマも考えられる要因です。
たとえば、トイレの最中に急に大きな音がした、地震がきた…などの経験も猫のトラウマになってしまいます
飼い主さんへの愛着表現だったり、注目欲求だったりする場合もあります。
引っ越しなどがあった場合には、新しい環境に適応できていない可能性が考えられます。
猫の社会化不足も、布団でのトイレ行為につながる可能性があります。猫の心理状態を理解し、適切なケアを行いましょう。
» 猫のストレスサインの見分け方
猫が布団でトイレをしないようにする方法
猫は快適な場所での排せつを覚えてしまうと、繰り返す傾向があります。その習慣を変えるのは簡単ではありませんが、必ず解決できるので諦めないで下さい。
猫が布団でトイレをしないようにするには、次の方法があげられます。
- トイレトレーニングを再実施する
- トイレ環境を整える
- ストレスを軽減する
- 獣医師に相談する
トイレトレーニングを再実施する
トイレトレーニングの再実施は、布団でトイレをする問題を解決する効果的な方法です。猫の習慣を変えるには時間がかかりますが、根気強く取り組むと、かならず改善が期待できます。トイレの場所を再確認させましょう。定期的に猫を誘導するのも重要です。
正しくトイレができた場合におやつなどの報酬を与えて褒めると、猫の行動を強化できます。トイレ環境の清潔さも重要です。トイレの周辺を常にきれいにしましょう。使用後は速やかに掃除をして、猫がトイレを快適に使用できる環境を整えてください。
» 猫のトイレ掃除の重要性や掃除方法、臭い対策について詳しく解説
トイレ環境を整える
猫はきれい好きな動物です。トイレ環境を整えることは、猫が布団でトイレをしないようにするために最も重要な対策です。快適なトイレ環境を用意してあげれば、猫は指定された場所でトイレを済ませやすくなります。トイレ環境を整える具体的な方法とは、以下のとおりです。
- トイレの数を増やす
- トイレの場所を選ぶ
- 猫砂の種類を変える
- トイレの大きさを調整する
- トイレを清潔に保つ
トイレ本体だけでなく、周辺の清掃や猫砂の交換、猫砂の形状や香り、質の変更を検討しましょう。
すべての猫が同じものを好むとは限りません。猫の好みは個体差があるため、さまざまな方法を試しながら、適した環境を見つけましょう。
布団よりも快適なトイレ空間を提供してあげれば、布団での排せつ行動を防げます。清潔さを意識すると、布団でのトイレ問題を改善できる可能性が高まります。
» 理由はさまざま!猫が突然トイレで排泄しなくなる原因と対策
トイレ周りのプライバシーを確保することも重要です。猫は安心してトイレを使いたいため、人目につかない、静かな場所に設置してください。
ストレスを軽減する
猫が布団でトイレをしてしまう問題を解決するためには、ストレスの軽減が大変重要です。
猫が安心できる環境づくりをしましょう。猫のストレスを軽減させるおすすめの方法は以下のとおりです。
- リラックスできる空間を用意する
- 規則正しい生活リズムを整える
- 猫用のフェロモン製品を使用する
- 静かで落ち着いた環境を維持する
- 十分な愛情と触れ合いの時間を確保する
- 窓辺に猫用のベッドを置く
- 猫の縄張りを尊重する
- 定期的にグルーミングを行う
コミュニケーション不足は、猫が布団でトイレをする原因の一つです。猫にストレスや不安があると、不適切な場所でのトイレにつながります。
猫との触れ合いの時間を増やし、猫の行動や感情をよく観察してください。猫のボディランゲージを学び、猫の気持ちを理解するよう努めましょう。適切なコミュニケーションを取ると猫との信頼関係が今まで以上に深まるだけでなく、問題行動の改善につながります。
猫がひとりで落ち着ける空間があることも重要です。すっぽり潜れたり、体を覆われる安心できる場所を用意してあげましょう。
猫のストレスが軽減されれば、布団でのトイレの問題解決につながる可能性が高まります。
>>猫を工事音ストレスから守る!騒音対策と怖がらせない7つの方法
獣医師に相談する
獣医師への相談は、猫が布団でトイレをする問題を解決するうえで効果的です。猫の健康状態を詳しく診断してもらうことで、医学的観点で解決に導くことができます。
健康上の問題がないから病院へ行くのは無駄だということはなく、隠れたストレスの特定やトイレトレーニング方法の指導、行動療法や薬物療法など、さまざまな観点で問題解決を図ることができます。
定期的なフォローアップを受けておけば飼い主さんの不安も軽減されます。猫の健康と幸せを第一に考えながら、問題解決に向けて前向きに取り組むことができます。
猫が布団でトイレをしてしまった時の対策
猫が布団でトイレをしてしまった時の応急処置をご紹介しておきます。
- すぐにクリーニングする
- 防水カバーをしておく
処置方法を把握しておくと、万が一の際に対処できます。ただし、根本的な解決には、猫の行動理解と適切なトイレ環境の整備が必要です。
すぐにクリーニングする
猫の布団でのトイレが治らないときは、応急処置としてクリーニングを行いましょう。自宅でのクリーニングも可能です。適切なクリーニングを行えば、臭いや汚れを効果的に除去できます。
自宅でのクリーニングでおすすめの方法は以下のとおりです。
- 水分を吸収させる(叩く)
- 濡れた布でふき取る
- お湯を使って洗濯機で洗浄
- 重曹やクエン酸で臭い除去
- 布団乾燥機で十分に乾燥
- (消臭スプレーの使用)
布団の上でトイレをしたのを発見したら、極力早急にクリーニングすることがなにより大切です。
水分をいらないタオルやペット用シーツなどで吸収させます。おしっこが広がらないように、こすらず叩いて吸収させることがポイントです。その後、洗濯機での丸洗い→乾燥機で完全に乾かす、が理想です。
もし洗濯機の使用できればできない環境であれば、重曹やクエン酸、酸素系漂白剤を使って部分つけ置きという方法も効果的です。100円ショップなどでも購入できます。
重曹の場合:該当箇所に直に粉を振りかける→40℃~4℃くらいのお湯につけ置き→しばらく経ったらもみ洗い→流す
クエン酸の場合:該当箇所をぬるま湯で洗い流す→クエン酸をスプレーして30~2時間ほど置く →もみ洗い→ぬるま湯で洗い流す
酸素系漂白剤(オキシクリーンなど):40~60℃くらいのお湯で溶かし、布に液をつけて叩く→ふき取るを何度か繰り返します。尿のシミにも効果的です。
詳しくは以下の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
>>嘔吐ゲロ臭の消し方 猫が洗えないソファに吐いちゃった!
時間が経ってしまった、どうしても臭いが消えない、乾燥が難しいなど対処できない場合は、ふとん専門のクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。プロの技術と専用の洗剤を使用すると、確実に汚れや臭いを取り除くことができます。
臭いを匂いでかぶせるマスキングタイプの消臭剤はおすすめしません。
臭いの元を取らないと根本的な解決にはなりません。
使ったその時はいい臭いになった様な気がしますが、時間が経つと臭いが戻ってきてしまいます。使用したい場合は、必ず臭いの元を取った後に使用するか、元の臭いを分解するタイプを使いましょう。
防水カバーをしておく
その都度クリーニングは正直大変ですよね…
防水機能があるカバーは、猫が布団でトイレをしてしまう問題への効果的な応急処置方法になります。床や布団を保護するのに非常に役立ちます。防水加工で漏れを防止するので、洗濯の手間や労力も削減でき、臭いに悩まされることもありません。衛生的なのも特徴です。
洗濯中、布団がなくて寝れない…なんてこともなくなります。滑り止め付きのトイレシーツを選ぶとずれなくてイイよ!
サイズや形状、カラーも豊富に用意されています。
防水カバーの上にしてしまった尿はペット用トイレシーツで吸い取ると簡単に処置できます。システムトイレを使用していない場合、ペット用トイレシーツがないかもしれませんが、緊急時や病院に行く時にも便利に使えるので、常備しておくと有効なツールになりますよ。
防水カバーを使うと、猫が布団でトイレをしてしまった場合でも被害を最小限に抑えられます。ただし、防水カバーは一時的な対策であり、根本的な問題解決のためには、他の方法も併せた検討が必要です。
猫の布団でのトイレが治らないときの注意点
猫が布団でトイレをする問題を改善していくためには適切な対処が大切です。飼い主さんとして注意すべきポイントをご紹介します。
- 叱らない
- 愛情をもって接する
- 根気よく対処する
叱らない
猫が布団でトイレをしても、絶対に叱らないでください。叱るのは逆効果になり、猫の不安やストレスを増大させてしまいます。叱られると、猫は布団でのトイレ行為を隠すようになる可能性があるため、注意が必要です。問題の解決を難しくするだけでなく、猫との信頼関係も損なうことになります。
叱らずに、適切な場所でトイレをしたときに褒めるポジティブなコミュニケーションを取りましょう。猫は頭の良い動物です。必ず正しい行動を学び、布団でのトイレを避けるようになります。叱ることは猫の行動の根本的な原因解決にはなりません。叱られた猫は飼い主を避けるようになり、問題解決がさらに困難になります。
叱ることで猫が恐怖心を抱き、新たな問題行動を引き起こす可能性もあります。怒ったり泣きたくなる気持ちは十分わかりますが、叱らずに根気強く正しい行動を教えていきましょう。
» 叱らずに褒める!猫のトイレの正しいしつけ方を解説!
愛情を持って接する
猫に愛情を持って接するのは、布団でトイレをする問題を解決するうえで効果的な方法です。猫は飼い主の態度や感情を敏感に感じ取るため、優しく接することで信頼関係を築けます。具体的には、以下の方法がおすすめです。
- 優しい声かけ
- スキンシップ
- 遊び時間の増加
- おやつや玩具の用意
愛情を持って接して猫との絆を深めるとストレスが軽減され、問題行動の改善につながる可能性が高まります。猫の気持ちを理解し、共感的な態度で接すると飼い主の気持ちを理解してくれます。
遊びの時間を充分に増やしたらアッサリ解決したという声も複数あるよ
>>【うちの猫は運動不足?】運動量の目安と動いてもらう工夫5選
根気よく対処する
猫が布団でトイレをする問題を解決するには、根気強い対応が欠かせません。絶望的な気持ちになる時もあるかもしれません。しかし、問題が一朝一夕には解決しないことを理解し、長期的な視点で取り組みましょう。以下の方法を取り入れると、効果的に対応が可能です。
- 一貫性を持って対応する
- 小さな進歩を認識する
- 猫のペースに合わせる
- 定期的に状況を確認する
家族や同居人と協力して取り組むことが大切です。専門家のアドバイスを積極的に取り入れながら、猫の好みや性格を考慮しましょう。根気強く取り組むめば、かならず改善が見込めます。焦らず、猫との信頼関係を大切にしながら対処を続けましょう。
飼い主に嫌がらせをしたい猫なんていないよ。言葉に出さないけれど、飼い主さんのことが大好きだと思ってるよ
まとめ
猫が布団でトイレをする問題は、さまざまな要因が絡み合って発生している可能性があります。解決するには原因を特定し、適切な対処法を見つけましょう。習慣化や環境の問題で、簡単には治らないこともあるため、根気強く取り組む必要があります。それまでの応急処置として、クリーニングや防水カバーの使用が効果的です。
必ず問題解決しますので、どうか絶望したり愛猫を嫌いにならないで下さいね。
愛猫との信頼関係を深めながら、少しずつ問題を解決していき、快適な生活環境を取り戻していきましょう。
» 猫の飼い方を解説