- 今あげてるご飯はイマイチ食いつきが悪い
- 高齢になってきたからご飯を見直したい
- 元気に長生きしてもらうにはどんなご飯がいい?
猫の健康と幸せのためには、ご飯選びがとっても重要です。
猫のご飯は種類が多すぎて、どれを選べばいいのか迷っちゃう!
この記事では、現役ペット用品店勤務の私が、猫のご飯選びの際の重要なポイントをわかりやすく解説します。
記事を最後まで読んでいただくと、愛猫の好みや体調に合ったご飯選びができるようになります。
猫の健康に役立つ情報を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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猫のご飯を選ぶポイント
ご飯選びの際には、猫の健康と幸せをいちばんに考えることが一番大切です。
全てに猫に万能なフードはないよ!ひとりひとり(ひと猫ひと猫)違うからね。
適切なご飯を選ぶことで、健康を保ち長生きへの手助けになります。
個体差や生活習慣を把握して、さまざまなケースに合わせて選びましょう。
猫のご飯選びに迷った場合は、まずは以下のポイントから絞ってみましょう。
- フードの種類
- 猫の生活環境
- 猫の年齢
- 猫の健康状態
- 栄養バランス
- 原材料と添加物の安全性
- 食いつきや消化の良さ
フードの種類から選ぶ
猫のご飯は主にドライ、ウェット、手作り食があります。好みや健康状態、生活環境に合わせて選ぶことが重要です。
- ドライフード
- 栄養バランスがとれ保存がきくものが多く、忙しい飼い主さんにおすすめ。噛むことで歯の健康を保つことが可能。「セミモイスト(半生タイプ)」タイプもある。
- ウェットフード
- 水分が多いため水をあまり飲まない猫に適している。口の中にトラブルがある子、食欲ない時も食べやすい。
- 手作り食
- 自分で原材料が分かるので安心。愛情をこめて作ることが可能。ただし感染症を招いたり栄養が足りず病気になる恐れがあるため専門家の指導が必要。
キャットフードには主食にあたる「総合栄養食」と、おやつや補助食にあたる「一般食」があります。ウェットフードには「一般食」にあたるものが多いため、かならず裏面の表記を確認しましょう。
» 猫にドライフードを与えるメリットとデメリットを解説!
総合栄養食のドライフードと新鮮なお水があれば、猫はそれだけで生きていけるように作られています。
一方ウェットフードは水分を多くとってほしい場合に追加したりするのも効果的です。ドライフードよりも食べやすいため、体調不良で食欲が落ちているときにも適しています。
» 猫にウェットフードを与えるメリットとデメリットを解説!
手作り食は添加物や保存料なしで安全性の高いものを自宅で作れます。ただし栄養バランスを整えて作ることは簡単ではありません。かならず獣医師や専門家の指導のもとで与えてください。
ドライフード | ウェットフード | 手作り食 | |
栄養バランス | 良い | 総合栄養食と一般食にわかれる | 調整がむずかしい |
手軽さ | 手軽 | 手軽 | 手間がかかる |
嗜好性 | 高い | とても高い | 好みがはっきりわかれる |
賞味期限 | 開封後1~2か月 | 開封後2日以内 | 材料によっては1日以内 |
栄養バランス、手軽さ、嗜好性から考えると、やはりドライフードとウェットフードがメインになってきます。3種類のご飯からさらに以下のように分類されることが多いです。
- プレミアムフード:高品質な原材料を使用し栄養バランスに優れたフード
- グレイン(穀物)フリー:穀物を使用せずアレルギー対策や肉食本能に合わせた配合
- セミモイスト(半生):柔らかい感触に作られているフード
- オーガニックフード:農薬や化学肥料を使用しない原材料で作られたフード
- フリーズドライ(凍結乾燥)フード:生食に近い栄養を保ちつつ保存性が高い
- 療法食:特定の疾患に合わせて治療と平行するように調整された栄養バランス
- 生食(ローフード):加工を最小限に抑えた生肉や内臓を中心とした食材
安全で高品質なご飯を望むなら、プレミアム、オーガニック、フリーズドライフードがおすすめです。
アレルギーで皮膚や消化器系に敏感な場合はグレインフリーフードを候補に入れましょう。
特定の疾患をもつ場合は獣医師指導のもとに選ぶ療法食が必要です。
療法食は「総合栄養食」ではないので、くれぐれもご自分の判断で選ばないでね!
注意が必要なのは、手作りの生食です。生の肉や魚、内臓は食中毒や寄生虫に感染する危険性があります。購入&与える際は安全性をしっかり確認し、加熱してから与えることをおすすめします。
» 猫に食べさせていい魚と食べさせてはいけない魚を解説!
それぞれのご飯の特徴を理解して、猫の好みや健康状態に最適なご飯を選んでいきましょう。
猫の生活環境から選ぶ
フードを選ぶ際には猫の生活環境も視野にいれましょう。
室内飼いをされている猫が多い状況ですが、どうしても運動不足になりやすく、結果として太りやすくなります。その様な猫にはカロリーを抑えたフードがおすすめです。妊去勢手術済みの子も同様です。(フードの一例)
動きが少ないことで腸の動きも鈍くなり、便秘や軟便に悩むケースも多いです。その様な猫には食物繊維などが調整されたフードがいいでしょう。(フードの一例)
毛づくろいをした毛を飲み込んで吐き戻しが多いというのもよくある悩みです。そういう場合はサイリウムや不溶性食物繊維が含まれたフードなどがおすすめです。(フードの一例)
その子の生活環境を考慮したフード選びをしましょう。
活動量が多い猫なのか? 便秘がちなのか?
など、1日の活動量や便の様子などを観察すると、ご飯選びのヒントになるよ。
猫の年齢で選ぶ
年齢や状況に応じて必要とされる栄養素は異なります。
年齢を基にご飯を選ぶ際は以下を参考にしてください。
- 6ヶ月未満(子猫・前期):高タンパク、高エネルギーフード
- 6ヶ月~1歳(子猫・後期):高エネルギーフード
- 1~7歳(成猫期): 体重管理のためカロリー調整されたフード
- 7歳以上(シニア期):食べやすさ、消化や腎臓などに配慮されたフード
- 妊娠・授乳期:高タンパク、高エネルギーフード
1歳未満の成長期は骨や筋肉、脳の形成が行われる一番大切な時期です。
栄養素が豊富な高タンパク、高エネルギーに設定されている、子猫用フードを必ず選んでください。同じく妊娠・授乳期の場合も多くの栄養を必要とするため、高エネルギーフードにしましょう。授乳期と子猫・前期用が一緒になっているフードもあります(フードの一例)。
1歳前後からは、肥満にならないようにカロリー調整が必要です。適正体重を把握して、無理なく体重管理できるフードが最適です。(フードの一例)
適正体重には個体差があるので、わからない場合は獣医師の指導を受けてください。
7歳以上のシニア期に入ったら、加齢に伴う体の変化に対応できるフードを検討しましょう。シニア猫フードの明確な定義はありませんが、消化しやすかったり、腎臓に配慮した組成になっていたり、関節ケア成分が入っているご飯などを選んであげると健康維持がしやすくなります。(フードの一例)
猫の健康状態から選ぶ
フードを変えるだけでお悩みポイントを解決できるケースも多いです。
痩せ過ぎや肥満であれば、ご飯の種類を変えることで改善できます。(フードの一例)
歯磨きが苦手…という悩みも、ブラッシング効果のあるフードでケアできますプラーク・歯石に関する特許取得成分配合『カナガンデンタルキャットフード』
食物アレルギーがある場合は、その原材料が入っていないフードを選択することで辛さから守ってあげることができます。(フードの一例)
このように、病気まではいかないけれど気になる箇所がある…など特定の悩みがある場合は、それらをケアできる理想的なバランスになっているフードを使うことで改善できるケースが多々あるのです。
そのためにも、日頃から体重、活動量、これまでにかかった病気などをしっかり把握しておきましょう。
普段からチェックしておきたい健康状態は以下の内容です。
- 体重:痩せ過ぎや肥満はなく適正体重が維持できているか
- 活動量:活発な性格か、運動量はどのくらいか
- 病歴:これまでに病気にかかったことがあるか
- 特定の疾患の有無:尿結石、消化器系疾患、腎不全など
- アレルギー:食物アレルギーの有無
- 健康診断の結果:健康診断で指摘されたものがあるか
- 行動変化:急な行動の変化や異常行動はないか
深刻なアレルギーや疾患がある場合は、獣医師に指導された療法食を選びましょう。療法食は総合栄養食ではありませんので、くれぐれもご自身の判断だけで与えないで下さい。
日頃から愛猫をよく観察し、定期的な健康診断を行うことで、ちょっとした変化に早めに気付けます。
長く健康な生活を送るために、健康状態に合わせたご飯選びでしっかりサポートしてあげましょう。
獣医から指定される療法食だけしか食べられない…という状況になったら日々の楽しみが半減しちゃうよ…
栄養バランスから選ぶ
猫の健康を守るためには栄養バランスはとても重要です。必要な栄養素を十分に補える、バランスが整ったご飯選びをしましょう。
栄養バランスが整のったご飯を選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
- キャットフードは「総合栄養食」と「一般食」がある
- 「総合栄養食」は必要な栄養バランスをとることが可能
- 必要な主要栄養素はタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル
- 特定の疾患をもつ場合は状態に合わせた栄養バランスが必要
- 手作り食を与える場合は専門家の指導が必要
キャットフードには大きくわけて「総合栄養食」と「一般食」の2種類があります。パッケージの表記をかならずチェックしましょう。
主食になる「総合栄養食」は、1種類だけで必要な栄養バランスがとれます。一方の「一般食」はおやつや補助食の位置づけなので総合栄養食と一緒に与えなければいけません。
主食として与える場合は「総合栄養食」と表記されているものを選びましょう。
主要栄養素であるタンパク質は健康な体の組織を作る上で欠かせません。肉、魚、大豆などが主成分です。
脂肪も大切な栄養素でエネルギー源です。
ビタミンとミネラルは体の機能を支える重要な役割があり、猫はタウリンを必ず食事から摂らなくてはなりません。
炭水化物は人間ほど多くは必要としませんが、アレルギーがなければ与えても問題ありません。
市販のキャットフードは栄養バランスを考慮して作られているため、総合栄養食を選んでおけば安心して与えられます。しかし、手作り食を与える際にはかならず専門家の指導を受けてください。
栄養が不足してしまうと健康で幸せな生活は送れません。手作り食を与える場合は知識をしっかり身につけ、十分な栄養バランスがとれるものを与えましょう。
原材料と添加物の安全性を確認する
ご飯選びでは原材料と添加物の安全性はとても重要です。原材料や成分が明確に記載された、安全性の高いご飯を選びましょう。
安全性が高いご飯の選び方は以下を参考にしてみてください。
- 原材料が明確で詳細に記載されている
- 不必要な着色料や香料が入っていない
- 安全性が確認された保存料や添加物のみが使われている
- 人工的な添加物よりも天然成分を使用している
- 非遺伝子組み換えや有機栽培された原材料を使用している
- あまりに低価格なものは避ける
たとえば原材料で「魚」とだけ書かれているより、サバ、タラ、マス、鮭など具体的に種類を開示されているフードの方が信頼できますよね。(フードの一例)
ペットフード安全法という基準がありますので「毒」は決して入っていませんが、使用されている着色料などの添加物が猫にとって本当に必要なものなのかを考えてみることが必要です。
猫にとってフードの色は全く必要としないものですので、着色料はキャットフード選びで不必要な添加物になります。カラフルな理由は、単に人間の目を楽しませたり、野菜をイメージさせるためだけに使われています。人工的な香料が使われている場合も同様で、猫には不要な添加物と考えてよいでしょう。
ペットフードに関しては国産にこだわる必要はありません。ペットに関しての法律が厳しい国で作られた高品質なご飯も多いです。
安全性についての一番わかりやすい目安としてはフードの価格です。
価格が高い=良いフード、
とは一概には言えませんが比較的、価格と原材料などは比例していると考えても良いでしょう。
あまりに低価格なものはどんな原材料や添加物が使われているのか明確には記載されていません(ペットフードは製造に使用した添加物を記載しますが、原材料に含まれる添加物の表示までは義務付けていませんので、任意表示となります)。
愛猫の健康な体を維持するために、できるだけ安全性の高いご飯を選びましょう。
食いつきや消化の良さ
そのフードをを与えた際によろこんで食べているか、その後しっかり消化されているかを見極めましょう。食べにくそうにしている、吐き戻しや下痢などがみられる場合は注意が必要です。
猫に合ったご飯を選ぶために、以下をチェックしましょう。
- 食いつき良くよろこんで食べているか観察する
- 粒の大きさや形状が合っているか確認する
- 食べた後に吐き戻しや下痢、便秘がないか観察する
- 食べ残しがなく便の状態が正常であるか確認する
- 食物アレルギーがある場合は原材料や成分に注意する
ご飯選びでは、猫がよろこんで食べているかどうかが大事な基準になります。ただし疾患があるケースでは療法食が優先されます。どうしても食いつきが悪い場合は、療法食も様々なメーカーが出していますので、勝手に変更せず獣医師に相談しましょう。
食べにくそうにしている場合は粒の大きさや形状が合っていないのかもしれません。マズル(鼻口部)の形によっても食べやすい粒は違います。大粒が好きな子、丸い粒が好きな子など様々ですので、違う種類のご飯を試してみましょう。
食後に吐き戻しや下痢、便秘になる場合はアレルギーや疾患の可能性もありますので動物病院へ行きましょう。
食いつきや消化の良さは健康な体に直結しています。愛猫がおいしく食べられてスムーズに消化できるご飯を選んであげることが重要です。
» 猫が食べたご飯をそのまま吐く原因と対処法を解説!
猫にご飯を与えるときのポイント
食事の時間を健康でストレスのない楽しい時間にしてあげましょう。猫にご飯を与えるときのポイントは以下のとおりです。
- 正しい量と回数を守る
- 状況に合わせて切り替える
- 保存方法と賞味期限を確認する
正しい量と回数を守る
健康な体を維持するためには正しい量と回数での与え方が重要です。
適正体重の猫は肥満の子よりも平均寿命が長いことが分かっていますので、愛猫に長生きしてもらうためにも、ここはしっかり守りたいポイントです。
ちゃんとフードのパッケージに書かれている給与量を守ってるよ!
!!!
フードのパッケージに書かれている給与量は「必ず1日にこの量を与えて下さい」という意味ではないよ!!
フードのパッケージに書かれている給与量は、あくまで「平均量」です。
とくに日頃の活動量が少ない、避妊・去勢をしたあとなどはパッケージの表示量だと太りやすい傾向があります。
まずは表示されている給与量から与えてみて、1~2週間後くらいに体重を確認し、適正体重を維持できているか確認し(太った、痩せた)フード量を調整していく、目安になる量なのです。
上記を繰り返し、愛猫の適正給与量を見つけてあげて下さいね。
骨格や状態によって適正体重はそれぞれ違います。
BCSという体型をチェックできる評価基準(環境庁のサイト)がありますので目安にすると良いでしょう。わからない場合は、通院の際に痩せ気味か肥満ではないかを獣医師にチェックしてもらいましょう。
適正な給与量が決まった後も、季節によって食欲も変化するので量や回数を定期的に見直してあげましょう。
食いしん坊の俺もさすがに夏は食欲が落ちるよ
茶トラ君、おやつはよく食べてるじゃない!
ご飯以外のおやつの量にも注意が必要です。1日分のすべての摂取カロリー内におさまる様に調整してください。
1日のご飯の回数の目安は以下のとおりです。
- 生後2ヶ月未満:4~6回
- 2~6ヶ月:3~4回
- 6ヶ月以上:2~3回
子猫は体が小さいため、1回に食べられる量が限られています。空腹時間が長くなると低血糖を起こしてしまい、場合によっては命にかかわります。こまめに少しずつ与えてください。
成長に合わせて回数を減らし、成長が止まったら2~3回に落ち着きます。6ヶ月目以降からは与える時間をある程度決めて、体内リズムを整えていきましょう。
ご飯を与える時間は厳密には決めず余裕をもって大丈夫です。多少のズレは気にせず、だいたいの時間を守ることで体内リズムを整えられます。
時間を厳密にして、決めた時間にあげられない状況でお互いストレスになってしまう、胃液(胆汁)を吐いてしまう子なら自動給餌器を利用するのも大変おすすめです。
最適なご飯の量と回数を把握して、健康維持につなげていきましょう。
>>1日2回じゃ少ないかも!【年齢別】猫の理想的な食事回数
状況に合わせて切り替える
ずっと同じフードでいいのかな?猫って飽きるよね。
成長段階や病気、体調不良、好みの変化などに合わせて、ご飯を柔軟に切り替えましょう。切り替えを検討するポイントは以下のとおりです。
- 子猫、成猫、高齢猫では必要な栄養素が変わる
- 病気や体調不良の場合は療法食または食べやすいご飯を与える
- 好みの変化や飽きてしまった際は種類を変えて食欲を刺激する
成長段階では、それぞれの時期に合わせたご飯の切り替えが必要です。
たとえば、子猫は高エネルギーフード、成猫は体重管理用フードやお悩みにあったフード、高齢猫は消化の良いフード、関節ケアのフードなどに切り替えていきましょう。
猫は体調を崩して食欲が落ちることで脱水状態に陥るケースがあります。水分量が多いウェットフードも取り入れてみましょう。食べやすく水分補給を促せます。
季節の変化に応じて水分補給のためにウェットフードを与えることもおすすめです。夏は熱中症予防、冬は膀胱炎予防になります。
病気や体調不良に対応する療法食があります。たとえば尿結石用やアレルギー用、腎臓や消化器ケア用などがありますが獣医師の診断・指導が必要です。
療法食は総合栄養食とは違う栄養組成になっているので、自己判断で使うと逆に栄養を損なう場合があるよ!体調で気になる場合は、まずは獣医師の判断を仰いでね。
健康に問題はなくても急にご飯の好みが変わる場合があります。
原因は2つあると言われています。
1つは「ネオフィリア」という猫の習性だよ。急に目新しいフードに興味がわいてしまう特性なんだ。今のフードを嫌いになったわけではないから、期間をおけばまた食べるかもね。
2つ目の理由は、猫が本能的に栄養バランスが適切でないと感じているということが考えられています。
もともと猫は自分で必要な分の獲物を狩って食べてきたので、必要な栄養バランスを本能的に求めているといいます。そのため、自分が欲する適した栄養バランスの食事でない場合は段々と「食べ飽きてしまう」ということなのです。
猫は気分屋でデリケートな生き物と言われることが多いですが、食べない理由がきちんとあるんですね。喜んで食べてくれるご飯を片っ端から試しましょう!!
保存方法と賞味期限を確認する
ご飯の鮮度を保ち栄養価を維持するためにも保存方法には注意が必要です。個々のメーカーにより異なりますが、未開封のドライフードは1年程度が賞味期限の目安とされています。開封後の保存方法、賞味期限の目安は次のとおりです。
ドライフード | ウェットフード | |
保存方法 | 密閉容器に入れて冷暗所に保管 | 要冷蔵 |
賞味期限 | 夏は1ヶ月、冬は1ヶ月~1ヶ月半 | 2日以内 |
ドライフードは開封したと同時に酸化が始まります。とくに夏場は1ヶ月以内には使い切るようにしてください。缶詰などのウェットフードは開けたら冷蔵で2日以内に使い切りましょう。
夏は1か月で食べきれる小さめの容量を購入するか、大袋を買うならジプロック等に小分けしておくといいよ!
購入時はパッケージの賞味期限を確認してください。災害時用にストックしている飼い主さんは、うっかり賞味期限を過ぎてしまわないように定期的なチェックが必要です。
保存状態が悪いとご飯の栄養価が低下するばかりか、食中毒などを起こしてしまう恐れがあります。つねに正しい保存方法を心がけましょう。
猫のご飯でよくある質問
猫のご飯については多くの飼い主さんが非常に関心のある事柄です。ここからは飼い主さんからのよくある質問に答えていきます。ご飯についての疑問や不安を解消するため参考にしてみてくださいね。
ドライフードとウェットフードの違いは?
ドライフードとウェットフードのおもな違いは水分の量と保存性です。ドライフードは水分量が少なく長期保存ができます。経済的にもコスパの良いところがメリットです。
一方のウェットフードは、水分量が多く嗜好性が高いところがメリットです。
ドライフード | ウェットフード |
水分量は約10% | 水分量は約80% |
長期保存が可能 | 嗜好性が高い |
コスパが良い | 食欲が落ちた時・口にトラブルある時に食べやすい |
歯や歯茎の健康に繋がる | 水分摂取ができる・消化しやすい |
ドライフードのほとんどは総合栄養食なので、それ1種類だけで必要な栄養バランスがとれるため、どちらを選ぶか迷ったらドライフードを選びましょう。噛み応えがあるので満足感もあり、口の中の健康にもつながります。
ウェットフードはおやつや補助食にあたる「一般食」が比較的多いです。主食で与える場合は裏面に「総合栄養食」と記載されているかしっかり確認しましょう。
ウェットフードで軟便や下痢になったという声もよく聞きます。脂肪分の多いものやお腹の弱い子だとなりやすいので与えすぎには注意してください。
ウエットフードだけで1日の必要栄養量を満たすのは現実的ではないので、基本的に主食はドライフードをメインにしウエットをトッピング、朝はウエット、夜はドライフードなど、上手に組み合わせて取り入れましょう。
もちろん、ウエットフードは毎日あげても問題ないよ!水分をたくさん摂って欲しいから、我が家は毎日ドライフードとウエット両方を与えてます。
手作りのご飯は猫に与えても大丈夫?
健康な体を維持するために、猫は特定の栄養素が必要です。手作り食を与える場合は、かならず専門家の指導を受けましょう。
手作りのご飯を与える際に気をつけるポイントは以下のとおりです。
- 適切な栄養バランスがとれている場合は与えても良い
- 保存料が含まれていないため適切な保存方法を徹底し細菌感染を防ぐ
- 生の肉や魚の寄生虫感染を予防するため加熱してから与える
- 手作り食に切り替える際は少しずつ混ぜながら徐々に慣らしていく
- 拒否された場合は無理に続けない
手作り食では栄養のバランスや徹底した保存方法、寄生虫感染などに注意が必要です。どうしても食べない場合は無理に続けることは控えましょう。アレルギーや疾患をもつ場合でも、専用のご飯の種類は豊富にあります。
手作り食と市販のご飯のどちらが合っているのか、状況に合わせて適切に選んでください。
アレルギー猫のための特別なご飯は?
アレルギーがある場合はアレルギー対策専用のご飯を与えましょう。アレルギーのおもな症状としては、湿疹や脱毛などの皮膚疾患、嘔吐や下痢などの消化器系疾患があります。
まずは獣医師に相談し、療法食または市販されている専用のご飯、どちらでの対応が必要か判断してもらいましょう。市販の専用ご飯を選ぶポイントは次のとおりです。
- 獣医師から指示された場合は療法食を与える
- できるだけ安全で高品質なご飯を選ぶ
- グレインフリー(穀物不使用)フードや単一タンパク質フードを試してみる
- 食物ではなく生活環境に原因物質がないか観察する
- 最終手段として除去食試験を試してみる
食物アレルギーが起こりやすい原因として、肉や乳製品などに含まれるタンパク質が考えられます。ほかには人工的な保存料や添加物が原因になるケースもあります。
意外かもしれませんが、米・小麦などの穀物アレルギーは少ないといわれています。
まずは添加物の少ない高品質なご飯や穀物不使用のグレインフリーフードを試してみましょう。使われているタンパク質が1種類だけの単一フードもおすすめです。
しばらく続けても変化がない場合はご飯が原因ではないかもしれません。食べ物以外にもノミ・ダニアレルギー、アトピー性皮膚炎などが原因になる場合があります。生活環境に原因がないかをチェックしてみましょう。
最終手段としてアレルギー物質を特定するための除去食試験があります。専用の療法食を一定期間続ける必要があり、その間おやつなどはまったく与えてはいけません。数ヶ月頑張っても原因を特定できないケースもあります。
要求に負けてうっかり一口でもほかのものを与えてしまったら、また試験はイチからやり直しです。愛猫の要求に負けない鉄の心でチャレンジできる方は、獣医師に相談してみましょう。
最近ではたくさんのアレルギー対策専用のご飯が取りそろえられています。ひとつずつ試してみて体に合うご飯をみつけてあげましょう。
ご飯に飽きた場合の工夫は?
ご飯の好みにうるさい、もともと食が細いという場合もありますが、ページ上「状況に合わせて切り替える」という項目で解説したとおり、猫には2つの特性があり、昨日まで食べていたご飯を急に食べなくなることがあります。
これは猫の特性と認めてあげ、常に飽きさせないよう工夫しましょう。
ご飯に飽きた場合は、以下の工夫をしてみてください。
- ご飯のバリエーションを増やす
- ご飯にトッピングをする
- 香りをつけてみる
- 与える時間帯を変えてみる
ご飯自体の種類を変えたりトッピングしたりすると、興味をもち食べてくれることが多いです。
不織布などのお茶パックにかつお節や煮干しを入れ、フードの袋に一緒に入れておくと香りがつくので、飽きたフードでも興味を持って食べてくれることがあります。
煮干しはミネラルが多いので、おやつとしてたまに与えるならいいけれど、頻繁に与えるのはやめた方がいいかも。「匂い」だけつける目的で使ってね。
いつもと違う時間に与えてみるなど、ちょっとした変化でも刺激を与えてみましょう。
まとめ
最適なご飯を選びたいと考えた時、まずは生活環境、年齢、健康状態から何を優先したいか考えてみましょう。それらを把握しておくことが適切なご飯選びの基準になります。
- 生活環境、年齢、健康状態を把握する
- フード購入時に栄養バランスと原材料・添加物などをチェック
- 与えてみて、食いつきと消化の良さを確認
- 与える際は適正な量と回数を守る
- 正しい保存方法と賞味期限の確認をする
- 1~2週間様子を見て、状況に合わせて柔軟にご飯を切り替える
- ドライとウェットの併用や使い分けをしてみる
- アレルギーの有無や飽きやすい場合に対策する
愛猫に健康で幸せな生活を送ってもらうために、毎日の食事の時間が楽しみにしてもらうために適切なご飯を選んであげましょう!