- これから猫を迎える予定でトイレの場所を悩んでいる
- 猫がトイレ以外の場所で粗相をするようになった
- 今のトイレ場所から移動を考えている
意外かもしれませんが、猫トイレの置き場所選びはとても重要です。
適切な場所を選ばないと猫がトイレ以外の場所で粗相をしたり、トイレを我慢して病気になることも珍しくありません。
もともと猫はおしっこの病気にかかりやすい体質でもあるため、猫の健康を守るためにも快適な場所に設置してあげることが大切です。
この記事では、猫が望むトイレ、理想的な場所選びについて詳しく解説します。
最後まで読んでいただくと、猫がストレスなく快適に使えるトイレ環境を整えることができてお悩みも解消できますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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猫にとって理想のトイレ環境
猫にとって理想のトイレ環境は次のような状態です。
- 食事場所や寝床から離れている
- 常にきれいで清潔
- 好みの砂
- 充分な量の砂がある
- 大きなトイレ
常にきれいで清潔
猫はとても清潔好きです。
たとえ自分のものであっても、トイレが汚れているのを嫌います。そうなるとトイレ以外の場所で排泄してしまう子も珍しくありません。
人間だって公衆トイレは気がすすまないでしょ?
排泄物は気がついたらすぐに片づけるのが理想ですが、最低1日に2回以上は始末をするようにしましょう。
猫の好みの砂
猫トイレ用の「猫砂」は様々な種類があります。
鉱物、紙、ひのき、おから、木製などなど…
神経質な子は気に入った猫砂でないと排泄しなかったり、感触が嫌なので排泄後に砂をかけない子も多いです。
何が気に入るかは個々の好みになりますので、ひとつひとつ試していくしか方法はありません。
充分な量の砂がある
本来、猫がトイレをする一連の動作は以下の流れです。
①においをかぐ→②砂を掘る→③排泄→④においをかぐ→⑤砂をかける
しっかり砂をかけることで自分の「個人情報」を消すことにつながるので、猫にとって砂の量は大切です。
かいた時、底に足が当たるのも嫌。かき心地が悪いわ
うんちをする時に踏ん張れるのも、砂がしっかり入っているからこそなのです。
大きなトイレ
猫は狭い場所が好きとは言え、トイレは違います。
排泄する時に好きなポジションを取るため、くるっと1回転できる、体長の1.5倍くらいの広さが理想です。
トイレのふちに足を乗せて排泄しているのは狭い証拠!
トイレに適した場所の基本原則
猫のトイレは以下の条件を満たしている場所が適しています。
- 簡単にアクセスできる
- 家族全員が受け入れている
- 静かな環境
- 安定した環境
- 適度な明るさ
- 換気が良好
- 寒暖差が一定
上記の条件を考慮しつつ、猫の好みや習慣に合わせて場所を選びましょう。猫は繊細な動物なので、安心してトイレを使える環境を整えると、しつけもスムーズに進みます。
暗すぎると猫が不安を感じる可能性があるので、適度な明るさを保ちましょう。極端に暑すぎたり寒すぎたりする場所は避け、猫が簡単にアクセスできる場所に設置してください。高齢の猫や子猫の場合は特に配慮が必要です。
» 猫のストレスサインの見分け方
複数の猫を飼っている場合は、猫の数プラス1個のトイレを用意してください。オープンタイプや屋根付きタイプなど、猫によって好みが違うので、自分の猫に合ったものを選びましょう。
猫のトイレに適した場所の特徴
猫のトイレに適した場所の特徴は次のとおりです。
- 猫の食事場所や寝床から離れている
- プライバシーが確保されている
- 騒がしくない場所
- 風通しが良い場所
- 適切な温度の場所
食事場所や寝床から離れている
本来、猫は食事をする場所や寝る場所で排泄をしません。排泄物から、敵に自分の存在や個人情報を知られることになるからです。
情報ダダもれで危険なのよ!
衛生面からも猫が食べたり寝るところから離れた場所を選んであげることが大切です。
適度に離れた場所がベストですが、猫が普段過ごしている場所から遠すぎるとトイレに行くのが面倒だと感じてしまうおそれがあります。特に、シニア猫で認知症状のある子や、体に不具合がある子などはトイレにたどりつけなくなったりするので注意して場所を選んであげましょう。
プライバシーが確保された場所
人間と同じく猫もトイレは落ち着いて済ませたいと感じているはずです。
猫は本能的に身を守るため、用を足している間は警戒心が強くなります。開放的で視線が気になる場所は避け、人の出入りが少ない場所やプライバシーを保てる場所を選んであげましょう。
トイレ中にじっと見るのもやめて!
飼い主さんの多くは、猫が排泄をしている姿さえ可愛いと思えるのでジッと見てしまう方も多いですが、それは猫のストレスになります。
部屋の中央、人通りのある窓際、鏡など反射するものがある場所は避けましょう。
猫がストレスを感じるだけでなく、視線が気になり途中で排泄をやめて膀胱炎などを引き起こすこともあります。
騒がしくない場所
猫が落ち着いてトイレを使えるように騒音や振動の少ない場所を選びましょう。
猫は警戒心が強い動物で、周囲の音や動きに敏感に反応します。具体的には以下のような場所は避けてあげましょう。
- 人の往来が多い場所(玄関・リビングなど)
- 洗濯機やテレビ、掃除機やドライヤーなど大きな音がする場所
玄関突然の物音や動きがあると猫は驚いて途中でトイレをやめてしまうことがあります。リラックスできて快適にトイレタイムを過ごせる場所を探しましょう。
人の動きや音に驚いて、トイレを我慢したり、別の場所で排泄したりする可能性があります。来客時に人が集まりやすい場所も避けるのがおすすめです。突然の人の増加や騒がしさに、猫が不安を感じる可能性があります。
風通しが良い場所
風通しが良い場所に猫トイレを置くメリットは複数あります。
- 臭いがこもりにくい
- 湿気がたまりにくい
- カビの発生リスクが低い
においのこもったトイレを嫌がる猫も多いので、窓や換気扇があるなど、空気の流れがある場所を選ぶことをおすすめします。
風通しの良い場所を選べば、換気が容易にでき、猫と人間ともに快適です。
カビが好む温度・湿度が続くと、猫砂にもカビが生えることがあります。風通しが良く、空気の循環が良好だとカビの発生リスクも低いです。
適切な温度の場所
猫のトイレ周辺の温度も重要です。
極端な暑さや寒さを避け、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所を選びましょう。床暖房がある場合は避け、暖房器具から離れた場所に設置してください。
特に冬場に気温が低く寒すぎる場所だと、猫はトイレを我慢して膀胱炎などを引き起こすことがあります。
年間を通じて温度変化の少ない場所を選ぶと、猫の体調管理にもつながります。
>>我が家でも3台使用。トイレ周辺の温度が分かるペットケアモニター
猫のトイレの数と配置
ここからは最適な猫のトイレの数と配置について詳しく解説していきます。
理想的なトイレの数
理想的なトイレの数は、猫の数に1つ足した数が基本的な目安です。
多頭飼いの場合、最低でも猫の数と同じ数のトイレを用意してください。高齢猫や体調不良の猫がいる場合は、特に注意してトイレの数を決めましょう。十分な数のトイレを用意すると猫同士のトラブルや排泄問題を防げます。
トイレの数が足りない場合、弱い猫が強い猫に遠慮して排泄を我慢してしまうことがあります。病気やストレスにつながりますので、離れた場所に複数トイレを置いてあげるとよいでしょう。
複数のトイレの配置方法
複数のトイレを配置する際は以下のポイントを意識しましょう。
- 分散して設置
- 2階建て以上の場合は各階に設置
- 猫の好みに応じて異なるタイプを設置
理想的なトイレの数は猫の数に1つ足した数が目安とお伝えしましたが、配置には注意が必要です。
例えば3つ並べて設置しても、猫は「1つの大きな砂場(トイレ)」とみなします。そのため、複数設置する場合は分散して置いてあげることが大切なのです。
2階建以上のお家で生活している場合、各階にトイレを設置してあげましょう。
わざわざ別の階へ行くのがおっくうになりトイレを我慢して膀胱炎などを引き起こすことがあるからです。特にシニア猫や体の不自由な猫なら尚更です。
猫のトイレの場所を変えるときのポイント
猫のトイレの場所を変えるときのポイントについて詳しく解説します。
トイレの場所を変えるタイミング
トイレの場所を変更する際は、猫のストレスを最小限に抑えるよう配慮しましょう。突然の変更は避け、徐々に新しい場所に慣れさせるのがポイントです。
家具の配置変更、新しい家族や猫の増加がある場合、それだけで猫にストレスがかかっています。そのタイミングでトイレの場所まで変わると猫にとって非常に大きなストレスになりますので変更はやめましょう。
季節の変化に合わせて暑さ・寒さ対策でトイレの場所を変更したりするのは効果的です。
健康状態の変化があった場合や猫がトイレを使わなくなった場合もトイレの場所を変えるチャンスになります。
ストレスのないトイレの場所移動のコツ
トイレの場所を変える際は、猫にストレスを与えないように慎重に進めるのが大切です。徐々に少しずつ移動させるのがポイントになります。以下の方法が効果的です。
- 古い場所と新しい場所に同時設置
- 新しい場所への優しい誘導
- 猫の好みのトイレ砂使用
- 新しい場所の環境整備
新しい場所では、適切な照明や温度、静けさを確保しましょう。
猫がトイレを使用したら、褒めるのも大切です。古い場所のトイレは慎重に撤去してください。猫の様子を観察し、ストレスのサインが見られる場合は、もとの場所に戻しましょう。猫の個性や年齢によって対応を調整する必要があります。
ゆっくりと時間をかけて進めると、猫にとってストレスの少ないトイレの場所移動が可能になります。
トイレの場所を変えた後の注意点
トイレの場所を変えた後は、猫の様子を注意深く観察してください。
新しい環境に慣れるまでは時間がかかるため、辛抱強く見守る必要があります。以下の点に注意しましょう。
- 新しい場所での使用確認
- 排泄物の状態チェック
- ストレスのサイン観察
猫が古い場所に戻ろうとする場合は、優しく新しい場所へ誘導してください。新しい場所でトイレを使ったときは褒めてあげると良いです。古い場所と新しい場所の両方にトイレを置くのもおすすめです。猫が新しい場所を避ける場合はもとの場所に戻すことも検討しましょう。
環境の変化に敏感な猫の場合は徐々に移動するのも良いです。トイレ以外の環境変化も最小限に抑えると、猫のストレスを軽減できます。愛猫の快適な生活のために、気を付けながら見守りましょう。
猫がトイレの場所を覚えるためのトレーニング方法
猫がトイレの場所を覚えるためのトレーニング方法は、以下の4つがおすすめです。詳
- トイレの場所を固定する
- トイレに連れて行く習慣をつける
- トイレの清潔さを保つ
- トイレを正しく使えたら褒める
トイレの場所を固定する
猫がトイレの場所を覚えるために、トイレの位置を固定しましょう。猫がトイレの場所を、安全で快適だと認識するために必要だからです。
トイレ以外で排泄した場合は速やかに清掃し、猫をトイレに誘導するのが効果的です。猫にトイレの場所を一貫して教えるのが、トイレトレーニングの成功につながります。
トイレに連れて行く習慣をつける
猫のトイレトレーニングとして、猫をトイレに連れて行く習慣をつけるのは重要です。猫がトイレの場所を覚えるのに役立ちます。食後や遊び終わり、目覚めた直後など、トイレを使いそうなタイミングで連れて行くのがポイントです。
トイレに連れて行った際は、ゆっくりとした動きでトイレの砂を掘る仕草を手で示すと猫がトイレの使い方を理解しやすくなります。
トイレに連れて行く習慣を毎日繰り返すと、徐々に猫が自ら行ってトイレを使えるようになります。
トイレの清潔さを保つ
猫は清潔好きな動物であるため、トイレの清潔さを保つのが重要です。トイレが汚れていると、猫は不快に感じ、トイレ以外の場所で排泄するようになります。日々のお手入れを欠かさないようにしましょう。
トイレの砂を定期的に交換し、使用後は速やかに糞や尿を取り除いてください。
消臭剤や除菌スプレーを使うと臭いが抑えられ、衛生的な状態を維持できます。こまめに清掃が難しい場合は自動清掃トイレの導入もおすすめです。
トイレを正しく使えたら褒める
猫がトイレを正しく使えたときは、褒めるのを忘れないようにしましょう。猫は褒められると、何が正しい行動かわかります。トイレを使った直後に褒めると、猫はトイレを使用する行動が良いことだと理解しやすいです。褒める際には、猫が安心して喜ぶような優しい声を使いましょう。
おやつを使って報酬を与えるのも効果的です。トイレを失敗した場合は叱るのではなく、正しい行動をしたときだけ褒めるのがおすすめです。
まとめ
猫のトイレの場所選びは、重要です。
適切な場所を選ぶと猫が快適に排泄でき、トイレのトラブルを防げます。粗相や、猫に多い泌尿器疾患から守ることにもつながります。
静かで人通りの少ない場所を選び、風通しが良く適温の環境を整えるのがポイントです。食事や寝床など、猫の生活空間から適度に離れた場所に配置するのをおすすめします。
理想的には猫の数プラス1個のトイレを用意し、家の異なる場所に分散配置すると良いです。
トイレの場所を変更する際は、猫のストレスを最小限に抑えるため、徐々に行いましょう。
トイレの場所選びは、猫の健康を守るためにも非常に大切ですのでしっかり管理をしていきましょう。