今までトイレを上手に使っていた猫が、ある日突然トイレ以外の場所で排泄するようになったの…
こんな経験を持つ飼い主さんは多いです。
この記事では、猫が突然トイレで排泄しなくなる原因と対処法について詳しく解説します。記事を最後まで読んでいただくと、猫のトイレトラブルの原因がわかり、適切な対策ができるようになります。
猫がトイレ以外で排泄する原因は、環境の変化やストレス、健康問題などさまざまです。原因を特定して対策を取れば、必ずトイレを正しくできるようになりますので安心して下さいね。
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猫が突然トイレで排泄しなくなる原因
猫が突然トイレで排泄しなくなる原因は多岐にわたります。主な原因は以下のとおりです。
- トイレの環境
- ストレス
- マーキング
- 過去のトイレの失敗
- 老化
- 健康問題
おうちの猫ちゃんがどれに当てはまるかを考えながら、それぞれの原因について詳しく見てみましょう。
トイレの環境
猫は清潔な環境が好きな動物なため、トイレの状態には特に敏感です。トイレが汚れていたり、猫砂の種類や量が適切でなかったりすると、猫はトイレを使いたがらなくなります。トイレの場所も重要です。人通りが多い場所や騒音のある場所は、猫にとってストレスの原因となるため、避けましょう。
猫は静かで落ち着ける場所でトイレをしたいと考えます。多頭飼いの場合には、特に注意が必要です。トイレの数が不足していると、トイレを我慢してしまう可能性があります。
» 猫の多頭飼い成功の秘訣
ストレス
猫がストレスを感じている場合の主な症状は、以下のとおりです。
- 突然かみつくことが増えた
- 食べる量や水を飲む量が増えたり減った
- おもちゃに興味を示さなくなった
- 抜け毛が増えた
- 隠れてばかりいる
猫はとてもデリケートな動物で、環境の変化に敏感に反応します。引っ越しや家族構成の変化、新しいペットの迎え入れ、飼い主の生活リズムの変化なども猫にストレスを与える要因です。騒音や工事などの外部要因や、飼い主の長期不在などもストレスの原因に挙げられます。
>>猫を工事音ストレスから守る!騒音対策と怖がらせない7つの方法
新しい家具の導入や部屋の模様替えだけでも、猫にとっては大きなストレスです。飼い主の仕事が忙しく、猫との触れ合いの時間が減ってしまうこともストレスにつながります。
» 猫のストレスサインの見分け方
マーキング
マーキングは、猫が突然トイレ以外の場所で排泄するようになる原因の1つです。縄張り意識や発情期、ストレスや不安、他の猫へのメッセージなどがマーキングの主な理由と考えられます。新しい環境に適応しようとするときや、他の猫の存在を感じたときにマーキングを行う場合が多いです。
去勢や避妊手術を受けていない猫は、マーキング行動を取りやすい傾向があります。通常の排泄行為とは異なる点がマーキングの特徴です。立ったまま尾を垂直に立て、後ろ足で地面を踏みながら壁や家具に尿を吹きかけます。縄張りを示すためのものであり、トイレのしつけとは別の問題として扱いましょう。
過去のトイレの失敗
過去の不快な経験を記憶していると、トイレを避ける行動につながります。トイレでの不快な経験の具体例は、以下のとおりです。
- 排泄時の痛み(膀胱炎や便秘など)
- トイレ使用中の突然の大きな音や驚き
- 不衛生なトイレの状態
- 他の猫からの妨害
- 急なトイレ位置の変更
猫がトイレに対して恐怖や不安を感じると、トイレを避けます。過去の失敗経験による影響は、猫の性格や環境によって個体差が大きいです。一度影響が出ると長く続く可能性があるため、注意してください。
老化
猫の老化は、トイレの問題を引き起こす大きな要因です。年を重ねるにつれて、猫の体にはさまざまな変化が起こります。トイレ習慣も影響を受ける要素の一つです。関節炎や筋力低下によってトイレへの移動が困難になったり、認知機能の低下によってトイレの場所を忘れたりする場合があります。
膀胱や腸の機能が低下すると、排泄のコントロールが難しいです。視力や聴力の低下も、トイレの認識に影響を与えます。高齢猫のトイレ問題に対処するためには、トイレ環境の調整が欠かせません。低めの入り口があるトイレを用意したり、滑り止めマットを設置したりして、猫が使いやすい環境を整えましょう。
健康問題
猫が突然トイレで排泄しなくなる原因として、健康上の問題も考えられます。深刻な場合もあるので、早めの対処が大切です。猫のトイレ行動に影響を与える病気には、以下のようなものが挙げられます。
- 尿路感染症や膀胱炎
- 糖尿病
- 腎臓病
- 甲状腺機能亢進症
- 関節炎
- 消化器系の疾患
健康問題は、必ずしも目に見える症状を伴うとは限りません。猫は犬と違い、痛みや不快感を隠す性質を持っているので、普段から飼い主が注意深く観察してください。
猫が突然トイレで排泄しなくなったときの対処法
猫が突然トイレで排泄しなくなった場合は、落ち着いて対処することが大切です。トイレ環境の改善や猫とのコミュニケーションの増加など、試せる方法は多くあります。愛情を持って根気強く対応しましょう。具体的な対処法について解説します。
猫砂を変える
猫砂を変える対策は、猫のトイレ問題を解決する効果的な方法の一つです。猫は好みの猫砂でないと使わない場合が多々あります。新しい猫砂に変更する際は、猫のストレスを最小限に抑えるため慎重に進めましょう。新しい猫砂を少量ずつ混ぜて徐々に変更します。猫砂を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
- 粒子サイズ
- 香りの有無
- 埃の量
- 固まりやすさ
- 吸収力
- 足への優しさ
複数の猫砂を試して猫の反応を観察すると、最適な猫砂を見つけられます。猫砂の深さは5~7cm程度が適切です。新しい猫砂に慣れるまでは、古い砂も残しましょう。
トイレの場所と数を変える
猫のトイレ問題を解決するためには、猫の好みに合わせてトイレの場所と数を適切に調整することが効果的です。静かで安全な場所にトイレを設置し、人通りが多い場所や騒音のある場所は避けましょう。複数階ある家では、各階にトイレを設置すると猫にとって快適です。トイレの数は「猫の数プラス1」が理想とされます。
2匹の猫を飼っている場合には、3つのトイレを用意しましょう。猫同士の縄張り意識によるストレスを軽減できます。トイレを家の複数箇所に分散して設置すると、猫がどこにいてもトイレに行きやすいです。
猫の好みに合わせたトイレの選択も大切です。オープンタイプや屋根付きタイプなど、さまざまな種類から猫に合ったものを選びましょう。猫のストレスを軽減するために、トイレの場所や数の変更は徐々に行います。急激な変更を避け、猫が新しい環境に慣れるまで見守りましょう。
トイレを掃除する
トイレを清潔に保つと、猫のトイレ問題を解決しやすいです。こまめに掃除して、猫が快適にトイレを使えるようにしましょう。具体的な掃除方法は、以下のとおりです。
- 定期的な猫砂の全交換
- トイレ本体の洗浄
- 消臭対策
- トイレ周辺の掃除
掃除の際は猫に安全な消毒液を使用し、完全に乾燥させてから新しい猫砂を入れましょう。猫の好みの匂いを残すために、古い猫砂を一部残しておきます。複数のトイレがある場合には、すべて同じように清潔に保ってください。
» 猫も飼い主もストレスフリー!猫砂飛び散り防止のための改善策
猫と遊ぶ時間を増やす
猫と遊ぶ時間を増やすと、猫のストレス解消や健康維持につながります。毎日15分程度でも定期的に遊ぶ時間を設けましょう。猫との遊びでおすすめのおもちゃは、以下のとおりです。
- 飼い主さんと猫が一緒に遊べるおもちゃ
- 猫じゃらし
- ボール
- キャットタワー
- レーザーポインター
猫の好みに合わせた遊び方を見つけましょう。猫の活動的な時間に合わせて遊びます。多くの猫は、夕方から夜にかけて活発になる場合が多いです。定期的に新しいおもちゃを導入すると、猫の興味を惹き付けられます。遊ぶ時間を増やせば、猫との絆も深まります。
» 猫との遊び方
猫じゃらしやボールなど、猫が好むおもちゃを使って遊びましょう。室内での運動を促すために、キャットタワーやスクラッチポストなどの遊び道具の設置が効果的です。猫の運動不足を解消できるだけでなく、爪とぎなどの自然な行動欲求を満たすためにも役立ちます。
>>猫おもちゃがどんどん増える!散らかる!そんな悩み一瞬解決!
猫の隠れ家を用意する
猫の隠れ家を用意してあげると、ストレス解消に効果的です。安全で快適な空間を提供し、猫の心の安定につなげましょう。隠れ家は、段ボール箱や木製の小屋などで簡単に作れます。静かで人通りの少ない場所に設置し、中には柔らかい布やクッションを敷いてあげましょう。
隠れ家の入口は、猫が出入りしやすい大きさにします。外が見えるようにすると、猫が安心感を得られます。多頭飼いの場合には、各猫専用の隠れ家を用意してください。猫のお気に入りのおもちゃを置くと、より居心地の良い空間にできます。
猫の隠れ家は、定期的に清掃して清潔に保ちましょう。猫が隠れ家に興味を示さない場合は、またたびや猫用フェロモンの使用が効果的です。
高齢猫に合ったトイレ環境を整備する
年を重ねた猫は、若い頃とは異なるニーズを持ちます。高齢猫に適したトイレ環境を整える際のポイントは、以下のとおりです。
- 低い縁のトイレを用意する
- 広めのトイレスペースを確保する
- 滑り止めマットを設置する
- 柔らかい猫砂を使用する
- トイレの数を増やす
高齢猫は関節が硬くなり、高い縁を越えるのが難しくなります。広めのトイレスペースを確保すると、動きが不自由な猫でも快適です。滑り止めマットを設置し、柔らかい猫砂を使用しましょう。トイレの数を増やせば、頻尿になりがちな高齢猫の負担を軽減できます。
栄養と運動のバランスを見直す
高品質なキャットフードを選び、猫の年齢や健康状態に合わせて適切な量を与えましょう。
食事とトイレ、一体どんな関係が!?
食事量の調整は、肥満予防にも役立ちます。肥満になった猫は動くのが億劫になります。限界まで我慢し、トイレまで間に合わずトイレ以外の場所で排泄をしてしまうことがあるのです。
ギリギリまで我慢することで膀胱炎になると、排尿時の痛みが出ます。「トイレ=苦痛の場所」という苦い記憶が残り、本来のトイレ以外の場所で排泄をするようになります。
水分摂取を促すことも大切です。便秘の予防にも役立ちます。猫がトイレで力んだり苦しそうにしていたら、スムーズに排泄できていないサインです。「トイレ=不快感を感じる場所」という苦い記憶が残り、本来のトイレ以外の場所で排泄をするようになります。
新鮮な水を常に用意し、必要に応じてウェットフードを取り入れてみてください。
適度な運動は消化器系の働きを促進し、規則正しい排泄習慣の形成にも有効です。ストレス解消や筋力維持にもつながります。栄養と運動のバランスを見直せば、猫の健康状態が改善し、トイレの問題も解決しやすいです。
» 猫にウェットフードを与えるメリットとデメリットを解説!
» 猫の運動不足のリスクと対策
獣医師の診察を受ける
トイレ以外の場所で排泄する問題は、深刻な健康問題の兆候である可能性も高いです。
特にシニア猫(老齢猫)は、病気でないことを確かめるのが先決です。動物病院で診察を受ければ、猫の健康問題がないか確認でき安心することができます。
尿トラブルの診察で行われる主な検査は、身体検査、尿検査、血液検査で終わることも多くいです。尿検査だけなら数千円、血液検査も含めると3万円程度の病院が多いようです。
- 身体検査
- 尿検査
- 血液検査
検査結果をもとに、健康上の問題がある場合は適切な治療法を提案してもらえます。行動学的な問題の場合には、専門家のアドバイスを受けられます。猫の年齢や既往歴に応じた診察や検査を受け、獣医師の指示に従いましょう。必要な治療やケアの継続が重要です。
猫のトイレの失敗を防ぐための日常管理
猫のトイレの失敗を防ぐには、日常的な管理が欠かせません。猫のトイレの失敗を予防するためのノウハウを以下の順に紹介します。
- 日々のトイレチェックポイント
- 粗相があった場合の正しい処理方法
- 猫のトイレトレーニングのコツ
日々のトイレチェックポイント
猫の健康と快適な生活を維持するためには、トイレの環境を整えることが重要です。日々のトイレチェックは、猫のトイレトラブル問題の早期発見と対処に役立ちます。猫のトイレでチェックすべきポイントは、以下のとおりです。
- トイレの清潔さ
- 猫砂の量と質、種類
- 排泄物の状態
- トイレ周りの環境
- 猫の行動や様子
トイレの清潔さは猫の衛生面だけでなく、排泄習慣にも影響します。排泄物は毎日取り除き、清潔に保ちましょう。猫砂の量と質、種類も重要です。適量の猫砂を用意し、猫の好みに合った種類を選ぶと、快適なトイレ環境を整えられます。排泄物の状態を観察すれば、猫の健康状態の把握が可能です。
粗相があった場合の正しい処理方法
粗相があった場合は、すぐに適切な処理を行って、においを完全に除去しましょう。一般的な粗相の処理方法は、以下のとおりです。
- 汚れを素早く取り除く
- 中性洗剤で洗浄する
- 酵素系消臭剤を使用する
- 完全に乾燥させる
- 再発防止策を講じる
猫の粗相を見つけたら、すぐに対処してください。固形物は拭き取り、液体はペーパータオルで吸い取ります。中性洗剤で丁寧に洗浄し、カーペットや布製品は洗剤を浸透させてから吸い取ってください。においを分解するために、酵素系消臭剤を使用します。
処理後は完全に乾燥させ、湿気が残らないようにしましょう。再発防止のため、一時的に場所を覆ったり、猫トイレを置いたりする対策も効果的です。猫を叱らずに、冷静に対応してください。粗相の原因を特定し、環境の改善を行うと、再発防止につながります。
» 猫の粗相の解決方法
猫のトイレトレーニングのコツ
猫のトイレトレーニングでは、猫の習性を理解し、段階的にアプローチすることが重要です。猫にとって適切なトイレの場所を選びましょう。猫が簡単に出入りできるトイレを選び、細かく柔らかい猫砂を使用してください。トレーニングの際は、食事や遊びの後など、猫が排泄しそうなタイミングを見計らいます。
猫がトイレを使用したら、すぐに褒めてあげましょう。おやつを与えるのも良いです。失敗しても叱らず、ただ淡々と掃除します。子猫の場合は、母猫のまねをする習性を利用してください。トイレの中で前足で砂をかくしぐさを見せると効果的です。トイレトレーニングは根気強く続けましょう。焦らず、猫のペースに合わせて進めます。
まとめ
猫が突然トイレで排泄しなくなる問題は、多くの飼い主さんが経験する悩みです。トイレ環境への対策や適切なケアを心がければ、必ず改善が見込めます。
トイレの問題があまりにも頻繁だったり長引く場合、シニア猫の場合、健康上のリスクを疑い、ためらわずに獣医師に相談しましょう。
猫さんとの信頼関係を大切にしながら根気強く取り組めば、必ず快適な生活を取り戻せますので安心して下さいね。
» 猫を飼う準備と必要なものリスト