猫を飼う時、完全室内飼いを選ぶ飼い主さんが多くなっています。
猫を一生、室内で飼うのは可哀想な気がする…
猫は自分のなわばりを持ち、その中で安心して暮らします。
室内で暮らす猫は家の中が自分のなわばりですが、その室内が安心できる場所になっているのならストレスにはなりません。
本記事では、室内飼いの猫がストレスなく暮らせる快適な環境作りの重要ポイントを解説します。
また、ストレスなく長生きしてもらうためには飼い主さんによる健康管理も重要です。
この記事を読めば、室内飼いでいいのかな…という疑問や不安が解消され、愛猫を健康で幸せにする方法が分かりますのでぜひ参考にしてみて下さいね。
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猫の室内飼いをおすすめする理由
猫の室内飼いをおすすめする理由は、次のとおりです。
- 寿命と健康に良い影響がある
- 交通事故や感染症のリスクが減る
寿命と健康に良い影響がある
猫を室内で飼うと、健康維持がしやすく長生きにつながります。屋外の危険から守り、病気にかかりにくくなるためです。室内は清潔で、ストレスの少ない環境を作りやすく、精神的健康も保たれます。
適切な運動環境を用意すれば、肥満などの健康問題も予防できます。猫の室内飼いは寿命を延ばし、健康の維持に効果的です。
交通事故や感染症のリスクが減る
交通事故や感染症のリスクが減ることも、猫を室内で飼うメリットです。具体的には、以下の点が挙げられます。
- 交通量の多い場所への逃走リスクが減る
- 外猫との喧嘩や病気感染も予防できる
- 野生動物や有毒な植物による危険が減る
- 寄生虫や感染症のリスクが減る
猫の安全と健康を守るには、完全室内飼いがおすすめです。
室内飼いするための環境作り
室内飼いの猫には適切な環境が欠かせません。
猫は好奇心旺盛で活発なので、安全を保ちながら刺激的な空間をつくることも大切です。
猫が本能を満たす環境を整えれば完全室内飼いでもストレスなく生活ができます。
外が眺められる環境を作る
猫は外を眺めるのが大好きです。
窓から外を眺められるような環境を作ってあげましょう。
自分のなわばりが安全かを確かめるために毎日同じルートで外を確認する子も少なくありません。
そんなかわいい姿は「ニャルソック」と呼ばれるほど定番の言葉になっています。
安全な遊び場を提供する
室内では安全な遊び場が不可欠です。猫の安全に配慮し、おもちゃを使った遊び場を設けましょう。猫は高い場所が好きなので、キャットタワーや棚の設置がおすすめです。
遊び場作りでは、危険予防のため次の点に注意してください。
- 電線や小型家電は手の届かない場所に保管する
- 小物や危険な物質がないことを確認する
- 定期的な掃除で床を清潔に保つ
上記の対策ができれば、室内飼いの猫も安心して遊び、健康的に暮らせます。
>>猫の室内飼いで絶対に注意したい危ない命に係わるもの再確認!
安心できる隠れ場所を作る
猫は狭い場所も好みます。
体をすっぽり隠せるスペースがあると安心できます。
眠たいのに明かりがついている時、ひとりで静かにいたい時、なんだか不安な時。
猫が安心できて、逃げ場にもなる「もぐれるスペース」を作っておいてあげましょう。
静かな環境を整える
猫は聴覚が非常に発達しているので大きな音が嫌いです。
一般的に猫が男性より女性を好む傾向があるのは、声の大きさに関係があるのではないかとも言われています。
大きな音楽、工事音などに気をかけてあげましょう。
意外な音として、男性の非常に大きなくしゃみがストレスになっていることもあるようですよ笑
>>猫を工事音ストレスから守る!騒音対策と怖がらせない7つの方法
適切なトイレの設置
室内飼い猫に適切なトイレを用意してあげることは不可欠です。
猫は静かでプライバシーのある場所でトイレをしたがるので、家の落ち着いた場所にトイレを用意することが大切です。
トイレの大きさ | 体長の1.5倍以上(猫が方向転換しやすい) |
設置数 | 猫の数プラス1つ |
設置場所 | 静かな一定の場所に設置する |
清掃頻度 | 常に清潔を保つ |
トイレ砂 | 無香料で猫が好むもの |
砂を掘る→トイレをする→砂をかける、という習性に配慮し、砂かきをたっぷりできるよう十分な深さの砂を用意してください。
猫はキレイ好きなのでトイレの近くに食事・水・ベッドを置くと猫にとってストレスです。それらと十分なスペースを確保して設置しましょう。
おもちゃを用意する
猫が室内で快適に過ごすには、適切なおもちゃが必要です。おもちゃは猫の興味を引き、運動と精神的な刺激を与えます。
猫には狩猟本能があるので、ねずみや鳥の形をしたもの、羽や鈴付きのおもちゃを好みます。
自動で動くおもちゃなら猫が一匹で遊べ、飼い主さんが忙しいときにも猫を飽きさせません。
おもちゃを選ぶポイントは、以下の2つです。
- 誤飲を防ぐため安全な素材を選ぶ
- 猫の年齢や活動レベルに合うものを選ぶ
子猫や活発な成猫は動きのあるおもちゃを、高齢猫や活動量の少ない猫はシンプルでソフトなおもちゃを好みます。
適度な刺激で猫の健康的な生活を守りましょう。
>>シニア猫や活動量の少ない子にも人気の猫おもちゃ【楽天市場】
同じおもちゃばかりだと飽きてしまうので複数揃えてローテーションしましょう。
出しっぱなしにしないで普段は隠しておくというのも飽きさせない有効な手段です。
室内飼いの猫を満足させるコミュニケーション方法
室内飼いの猫にストレスなく過ごしてもらうには毎日のコミュニケーションが重要です。一緒に過ごす時間を大切にすることで、猫との信頼関係も築けます。
一緒に遊ぶ
猫と一緒に遊ぶことは、猫のストレス解消や運動不足の防止に役立ちます。毎日、ほんの少しでも良いので遊んで満足させてあげましょう。
飼い主さんの帰りをひとりで待ってるのに遊んでくれないなんて家出したくなっちゃうよ…
- 定期的に遊ぶ時間を設ける
- 狩猟本能をかきたてる猫用のおもちゃを使う
- 新しいおもちゃを導入して飽きさせない工夫をする
- 追いかけっこやかくれんぼをする
- 猫用トンネルや迷路を設置してワクワクさせる
- レーザーポインターで思い切り走り周らせる
- 知育玩具を使用しておやつを与える
猫と一緒に遊ぶことで、猫の精神的・身体的健康をサポートし、飼い主との絆を深められます。
スキンシップをはかる
スキンシップをとることで、猫は安心感を覚えます。以下の方法がおすすめです。
- 優しく撫でる
- ブラッシングする
- 抱っこして安心感を与える
- ひざの上に乗せる
- 穏やかな声で話しかける
適切なスキンシップは、猫の体調管理にも役立ちます。ただし、猫が嫌がるようなら無理強いはせず、猫が心地よく感じる方法で接することが大切です。
室内飼い猫の健康管理
室内飼い猫を長生きさせるには快適な環境を整えるだけではなく、飼い主さんによる健康管理も大切です。
猫は気持ちを言葉で伝えられないため、飼い主さんが体調変化に気を配りましょう。
ポイントは以下の3つです。
- 定期的な健康管理
- 肥満を防ぐ食事管理
- ストレス管理
定期的な健康チェック
定期的な健康チェックは、室内飼い猫の健康維持に必要不可欠です。猫は病気のサインを隠す習性があるので、飼い主が健康状態を把握し、適切なケアを行う必要があります。
体内チェック | 年1回の総合健康診断 |
感染症 | 定期的な予防接種 |
肥満 | 定期的な体重測定 |
口内炎・歯周病 | 歯石除去などの口腔ケア |
皮膚病・寄生虫 | 毛並みや皮膚の観察 |
生殖器関連 | 避妊・去勢手術 |
行動や食欲の変化に気づき、問題の早期発見に努めましょう。
とくに老猫は若い猫より頻繁な検査が必要な場合があります。半年に一回の健診をすすめる病院が多いですが、獣医師と相談しながら適切な健康管理計画を立ててください。
肥満を防ぐ食事管理
肥満は病気リスクが高くなることが分かっています。
室内飼いの猫の肥満を防ぐには、適切な食事管理が不可欠です。
猫の健康維持のために、総カロリー摂取量を管理し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
具体的なポイントは、次のとおりです。
- 子猫、妊娠中、授乳中、去勢済み成猫など各ステージに合わせたフードを選ぶ
- 必ず計量して適量を与える(規定量を守る)
- おやつを与えている場合は1日の総カロリーにおやつのカロリーも含める
常に新鮮な水をたっぷり用意し、水分摂取を促しましょう。
食事管理に問題がないか、体重や体型の変化をチェックも欠かせません。
ストレス管理
猫にストレスが生じていないかを定期的にチェックすることも大切です。
主なポイントは次のとおりです。
- 猫が嫌いな香りがないか
- 大きな音や騒音を出していないか
- 子供がかまい過ぎていないか
- 飼い主が猫のスペースを奪っていないか
- 無理に抱っこをしていないか
- 来客が多くないか
- 一日中、部屋が明るくないか
- 猫が過密になっていないか(多頭飼いの場合)
>>猫はストレスで死んでしまうの?ストレス原因12個チェック!
猫の行動や態度の変化に気をつけ、異常があれば専門家に相談しましょう。
室内飼いにおけるストレスを適切に管理すれば、猫は健康的に暮らすことができます。
» 猫のストレスサインの見分け方
猫の室内飼いに関するよくある質問
ここでは、猫の室内飼いに関するよくある質問を紹介します。
室内飼い猫のご飯の回数やタイミングは?
室内飼い猫の健康と幸せには、適切なご飯やトイレの管理が欠かせません。ご飯のタイミングは、以下を参考にしてください。
- 成猫のご飯は1日2〜3回に分けて与える
- 幼猫は1日4〜5回に分ける(月齢により変動)
- 栄養バランスのためウェットフードとドライフードを組み合わせる
- (※)毎日決まった時間に与える
(※)猫は本来、ながら食い(ちょこちょこ食い)をする動物なので置き餌でも問題ありませんが、衛生面や体調管理の面では決まった時間に与える飼い主さんが増えています。
お仕事などでご飯を与えるタイミングが難しい場合は自動給餌器を利用するのもたいへん有効です。
室内飼い猫のトイレの数やタイミングは?
トイレは猫の数プラス1つ設置するのが理想です。
猫は大変きれい好きなので頻繁な掃除で清潔さを保ち、快適な環境を維持してあげましょう。
成猫の排尿回数は1日1〜3回、排便は1日0〜2回が目安です。
トイレ以外の場所で排泄があれば、健康問題やストレスの可能性を考えましょう。適切な対処が必要です。
お仕事などでトイレの頻繁な掃除が難しい場合は自動で掃除をしてくれるトイレの導入も検討してみましょう。
ご飯とトイレの適切な管理で、猫は心身ともに健やかな室内生活を送ることができます。
» 猫の適切なご飯の量を解説
猫が室内で外を恋しがるのはなぜ?
室内飼い猫が外を恋しがるのは、外にあるさまざまな刺激に引かれるからです。猫は好奇心が強く、外の世界に関心があります。窓の外の鳥や虫の動き、音やにおい、光など、感覚的な刺激に反応するのが一般的です。獲物への狩猟本能が外の世界への欲求につながっています。
室内環境が退屈で運動不足な猫も、外の世界を恋しがります。元野良猫の外への願望はとくに強いでしょう。
外の世界には猫の本能を刺激する要素が数多くあり、室内でも外を恋しがるのは自然な行動です。
まとめ
猫を室内で飼うメリットは非常に大きいです。
交通事故や感染症のリスクが減り、より安全に長生きできる可能性が高まります。
大切なポイントは、猫に快適な生活空間を用意することです。遊び道具や適切なトイレを設置してあげてください。
猫の健康を維持するには、定期的な健康チェックと適切な食事管理も大切です。
猫の行動やニーズを理解し適切に対応すれば、飼い主と猫の双方が幸せな室内生活を送れます。
素敵な猫ライフを送って下さいね!