
- 猫を2匹以上飼っていてトイレの数や場所に悩んでいる
- 共有トイレで問題ないのか心配
- 多頭飼いに適した猫砂や管理方法が知りたい
- トイレ掃除が大変。もっと楽に猫トイレ管理したい
- 新しい猫を迎え入れるのにトイレのトレーニングが不安
猫を複数飼育している方や多頭飼いを考えている方にとって、トイレの問題は大きな悩みですよね。
この記事では、子供の頃から猫を飼っていて、現在は5頭の猫と生活している私が、多頭飼いに適したトイレの数や配置、選び方、よくあるトイレ問題の解決方法などについて解説します。
最後まで読んでいただくと快適なトイレ環境を整える方法がわかり、多頭飼いの悩みが解消できますのでぜひ参考にしてくださいね。
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猫の多頭飼いに適したトイレの数と配置

猫を多頭飼いしていて、トイレの数は1つ。つまり、複数猫で共有(共同)しているというお宅もありますよね。

特にケンカもしてないけど、トイレ共有ってダメなの?
トイレは共有よりも猫の数+1が理想
複数の猫がトイレを共有して使うことは可能ではあります。
しかし、他の猫の排泄物や臭いが残っているトイレを嫌う猫もいます。トイレを我慢することで膀胱炎などの泌尿器疾患、ストレスによる争いが起こることも決して珍しくありません。
ですので、多頭飼いの場合はトイレ共有させるのを前提にするのではなく、
トイレの数は「猫の数+1の法則」を基本に考えましょう。2匹の猫を飼っている場合、最低でも3つのトイレを設置するのが理想的です。
猫の性格や相性、家の広さ、間取りなども考慮しましょう。猫同士の関係性が良好でない場合は、さらに多くのトイレを用意すると猫同士のストレスを軽減できます。
家が広く、複数部屋、複数階を猫が行き来している場合、各部屋ごと、各階ごとに設置するなどの工夫をされている方も多いです。
トイレの配置は猫の動線を考慮しよう

トイレの最適な配置は以下のポイントを考慮して配置を決めましょう。
- 人通りの少ない静かな場所
- 猫の食事場所から離れた場所
- 複数階がある場合は各階に1つ以上
- 猫同士が見えない位置関係
- 壁際や角などの猫が安心できる場所
猫は非常に繊細な動物です。
トイレを設置する場所は猫が簡単にアクセスできて、静かで落ち着いて排泄できる所を選んであげましょう。
猫の性格や家の構造によって、最適な配置は異なります。猫がほとんどの時間をリビング過ごすなら、その近くに設置してあげるのも良いですね。猫の動線を考慮し、猫の好みや習慣を観察して最適な場所を見つけていきましょう。

猫は食事場所の近くでは排泄しない動物なので、食事場所とトイレは離してあげてね。生活する猫ベッド、キャットタワーの近くにあるのも嫌がるよ。
トイレを邪魔されない工夫をする
多頭飼いの場合、他の猫がトイレを邪魔する…という場面も珍しくありません。
特に、子猫がちょっかいを出したり、相性の良くない猫が邪魔してくるケースがあります。
猫は落ち着いた静かな場所でトイレをしたいので、プライバシーを確保してあげてください。邪魔されたことでトイレを完全に終了できずに泌尿器疾患になることもあります。
カーテンやパーテーションで区切ったり、ドームタイプ、扉付きのトイレを選ぶ方法も良いでしょう。家具や植物の陰、壁に向けた配置もおすすめです。他の猫が邪魔しにくい環境を作ってあげましょう。
パーテーションの設置も効果的です。リビングなどひと目につきやつい場所に設置する場合は目隠しになる植物などを置くのもアイデアです(猫に安全な植物か確認してください)。
猫を多頭飼いするときのトイレの選び方

猫を多頭飼いするときは、トイレの種類やサイズ、形状を考慮しましょう。猫の個性に合わせた選択が大切です。
トイレの種類
適切なトイレを選ぶと、猫たちの快適な生活環境を整えることができます。飼っている猫の数や性格、部屋の広さなどに合わせて選びましょう。猫用トイレ種類は、主に以下のタイプがあります。(クリックすると画像が確認できます。Amazonに飛びます)
オープントイレは広々としていて猫が出入りしやすく、複数の猫でも使いやすくなります。一方、プライバシーが少ないため、臆病な猫には向きません。
カバー付きトイレは他の猫から邪魔されにくい、プライバシーを確保できるので人目を気にする猫に適しています。一方、臭いがこもりやすかったり、排泄物に気付きにくく掃除のタイミングが遅れる場合があります。
自動清掃トイレは、排泄物がないきれいな状態を保つことができるのでトイレ共有でも猫がストレスなく使えます。飼い主さんは清掃の手間を減らせます。多頭飼いや家を留守にする機会が多い場合でも常に清潔に保つことができます。一方、臆病な子や機械音が苦手な猫もいます。
上から入るトイレや2ドアタイプのトイレは、他の猫に邪魔されにくく、猫砂の飛び散りを防げます。一方、入口が高いため、子猫やシニアの子には入りにくく、飼い主さんは排泄物に気付きにくく掃除のタイミングが遅れる場合があります。
» 猫も飼い主もストレスフリー!猫砂飛び散り防止のための改善策

複数置いて、よく使われているトイレは猫にとって使いやすいトイレということが分かるよ。定期的に使用状況をチェックし、必要に応じて数を調整しましょう。
多頭飼いに最適なトイレのサイズ

多頭飼いの場合、トイレのサイズ選びも重要です。
多頭飼いだと、子猫、シニア、足が短い猫、身体が不自由な猫、大型猫など、体の大きさや身体能力に差がある子達が一緒に暮らしているケースも珍しくないですよね。
共通して猫が快適に使えるトイレのサイズは、猫がトイレの中で方向転換できる大きさです。無理なく方向転換できる大きさは、体長(首~しっぽの付け根)の1.5倍の大きさが必要です。
一般的な大きさの猫なら幅40cm、奥行き50cmが目安です。
複数の猫で共有する場合や大型猫の場合は、より大きなサイズが必要です。幅50cm、奥行き70cm以上のトイレを用意してあげるとストレスなく使用できます。
子猫、シニア、足が短い猫、体が不自由な猫がいる場合、楽に出入りできるように、入口の高さにも注意をはらってあげましょう。入口が高い場合はステップやスロープなど用意してあげると楽に入ることができます。
トイレ周りも適度なスペースを確保し、猫がリラックスしてトイレを使用できる環境を整えましょう。
トイレのサイズは、飼い主さんの掃除のしやすさにも影響します。適切なサイズを選べば、日々のメンテナンスが楽になり、清潔な環境を保つことができますよ。
トイレの数は「猫の数+1の法則」がありますが、スペースの関係でどうしても複数用意できない場合は、大型猫用の大きなトイレを用意してあげましょう。
他の猫の排泄物が残っているトイレで排泄するのを嫌がる猫もいます。大きなトイレであれば、空いているスぺースがあり、避けて排泄をすることが可能です。
多頭飼いに対応できるトイレの形状
多頭飼いの場合、さまざまな形状のトイレを用意してあげると、猫たちのニーズに応えられます。
オープントイレは、縁が低く出入りしやすいものが多いため、子猫、高齢の猫、体の不自由な猫に最適です。
神経質になりがちな猫には、プライバシーを保てるカバー付きトイレを用意してあげましょう。
コーナー型トイレは、限られたスペースでも配置しやすい形状なので、複数用意するうちの1つとして選ぶのもよいです。
大型トイレは複数の猫が使用できるため、多頭飼いにも向いています。
自動清掃機能付きトイレは、メンテナンスが楽で、忙しい飼い主さんに大変人気があります。
高さのある縁付きトイレは、砂の飛び散りを防ぎ、部屋を清潔に保てます。
入口が低いトイレは、子猫やシニア猫、足が短い猫でも楽に使用できます。
猫の好みは千差万別です。多頭飼いの場合、さまざまな形状のトイレを組み合わせてみると、猫たちのニーズに応えることができます。
» 全自動猫トイレのデメリット|向いている人やメリットも解説!
猫の個性に合わせて選ぶ

猫の個性によって、好むトイレのタイプは異なります。猫の個性別におすすめのトイレをまとめました。
- 警戒心が強い猫:周囲が見渡せるオープンタイプのトイレ
- 神経質な猫:屋根付きのトイレ
- 砂をかく力が強い猫:深めのトイレ
- においに敏感な猫:消臭効果の高い猫砂のトイレ
- 子猫、シニア、足が短い猫:入りやすい低めのトイレ
- 体の大きな猫:余裕のある大型サイズのトイレ
年齢によってもトイレの高さや広さの好みが変わります。猫の個性や特徴を観察して、それぞれに合ったトイレを選んでいきましょう。
猫を多頭飼いするときのトイレの猫砂

猫を多頭飼いするときのトイレの猫砂について紹介します。
猫砂の選び方
多頭飼いでは複数の猫がトイレを使うため、猫砂もしっかり選びたいものです。
尿や臭いをしっかり吸収する猫砂がおすすめです。
固まる猫砂を使う場合、しっかり固まらないと、猫がおしっこの付いた足で室内を歩きまわったり、飼い主さんが掃除の際にボロボロ崩れて手間がかかります。
複数の猫が使うトイレは臭いがこもりやすいため、消臭効果も重要です。ただし、香料の強い砂を嫌う猫も多いので注意が必要です。
天然素材や活性炭入り等の猫砂は、消臭効果が高くおすすめです。猫によって好む触感や粒の大きさが異なるため、複数の猫の好みを考慮して選びましょう。細かい粒子のものや木製ペレットなど、いくつかの種類を試してみるのがおすすめです。呼吸器系の弱い猫がいる場合は、ホコリの少ない猫砂を選びましょう。
猫砂の衛生管理

尿をしっかり吸収し、消臭効果も高い猫砂を選んだとしても、猫砂が適切に管理されていないと臭いや衛生面の問題が出てきます。
衛生管理の方法をご紹介します。
- 毎日のトイレのスコップ掃除
- 最低月1回程度の猫砂の全交換
- 消臭剤や抗菌剤の使用
- トイレ周辺の掃除
定期的に掃除を行うと、多頭飼いでも清潔で快適なトイレ環境を維持することができます。複数の猫を飼っていると掃除が大変に思う時もありますが、猫砂の衛生管理は、猫の健康状態をチェックする良い機会でもあります。
掃除する際に、排せつ物の状態や量を観察し、変化や異常がないか確認しましょう。
» 猫のトイレ掃除の重要性や掃除方法、臭い対策について詳しく解説
猫砂の消臭対策
消臭効果の高い猫砂を選ぶと、多頭飼いでも快適な環境を保てます。天然素材や活性炭入りの猫砂は、におい吸収力が高く、消臭対策に効果的です。毎日こまめに排せつ物を取り除き、少なくても月1程度は猫砂をすべて交換しましょう。トイレ本体の定期的な洗浄と消毒も重要です。トイレ周辺の環境も整えてください。
消臭剤や空気清浄機を置き、換気をこまめにしましょう。猫砂は5〜7cm程度の深さを保ち、においが気になる場合は重曹を少量加えるのがおすすめです。使用済み猫砂の処理は、迅速に行うのも忘れないでください。においの元を早く取り除けば、室内の空気をきれいに保てます。
掃除しているのに猫トイレがなんか臭う…という場合、スコップや壁に付着している汚れが原因だったということがあります。
猫砂だけでなく、清掃道具や周辺の壁なども定期的に消毒や交換を行うと、より衛生的な環境を維持できます。
猫砂の交換頻度

排泄したトイレの猫砂は毎日掃除し、少なくとも月に1〜2回はすべて新しいものに取り替えましょう。交換頻度は、以下の要素によって調整します。
- 猫の数
- トイレの使用頻度
- 猫砂の種類
- 季節
- 猫の健康状態
夏は臭いが強くなるため、交換頻度を上げましょう。複数の猫でトイレを共有する場合は、交換頻度を増やしてあげましょう。臭いが気になる場合や、猫が下痢や頻尿の症状がある場合も、交換の頻度を上げましょう。
猫砂を全交換する時は、猫砂だけでなくトイレ本体も洗剤で洗浄すると、より衛生的です。定期的な交換と清掃を心がければ、猫たちにとって快適なトイレ環境を維持できます。
猫の多頭飼いでよくあるトイレの問題と解決策

猫の多頭飼いでは、トイレに関する問題がよく発生します。トイレの場所取り競争や、他の猫のトイレ使用を妨害するなどが起こりやすい問題です。それぞれの解決策について解説します。
他の猫がトイレの邪魔をするのを防ぐ
多頭飼いの場合、他の猫が排泄中の猫を邪魔することがたびたび起こります。
特に、子猫や立場的に優位な猫が邪魔をする傾向があります。
子猫はかまってほしくて無邪気にちょっかいを出して遊んでいるだけですので、その様な場面に出くわしたら引き離しし、おもちゃ等を使って別のことに関心が向くように気をそらしましょう。
立場的に優位な猫が邪魔しに行く場合は、なわばりを主張している可能性が強いです。「俺のトイレだぞ!」とイライラしているのかもしれません。トイレの数は猫に対して適切か確認しましょう。2匹一緒に入れる大きめのトイレにするのも解決策のひとつです。
トイレの奪い合いを防ぐ
多頭飼いをしていると、トイレの奪い合い競争(順番待ち)がおきることがあります。猫が排泄したい時に使えなくてトイレを我慢してしまうのは猫に大きなストレスになるだけでなく、泌尿器疾患になったり、我慢できずに粗相をしてしまうトラブルにつながります。
猫の数プラス1個のトイレがあって、トイレの数は適切なのに奪い合い(順番待ち)がおきるということは、そのトイレの形や場所が猫たちにとって最高ということです。逆にいえば、他のトイレは行きたくない理由があるというあらわれです。
使用頻度の低いトイレの理由をさぐる良い機会です。周辺温度、配置、音、砂の種類など見直してみましょう。
オープンタイプ、カバー付きタイプ、砂の種類を変えるなどバラエティにとんだトイレを用意すると、猫が好きなタイプを選べるので効果的です。
トイレ周辺の環境も重要です。猫はトイレと生活スペースを明確に分けるので、近くに猫用ベッドやタワーなどは置かないようにしましょう。
パーテーションの設置も効果的です。リビングなどひと目につきやつい場所に設置する場合は目隠しになる植物などを置くのもアイデアです(猫に安全な植物か確認してください)。
トイレ環境に変化がある時の慣らし方

使ったことがない形のトイレを導入する、新入り猫のトイレを追加する、既存トイレの場所を変更するなどの場面もありますよね。
急激な変化は猫にストレスを与えるため、慎重に進めることが大切です。焦らず、ゆっくりと新しいトイレ、環境に慣れさせましょう。
新しいトイレを導入する場合は、既存のトイレの近くに設置し、猫に新しいトイレの存在を気付かせます。新旧のトイレを並べて置き、猫に選択肢を与えましょう。
猫は匂いや感触に敏感なため、今まで使っていた猫砂を使い続けましょう。慣れ親しんだ猫砂を使うと、新しいトイレでも安心して用を足せます。新しい猫が来ても、急に既存の猫のトイレ環境を変えるのは避けましょう。猫が新しいトイレを使ったときは、優しく声をかけたり、おやつをあげたりして褒めてあげましょう。
トイレ環境の変化によるストレスを軽減するために、静かな環境を維持することも大切です。必要に応じて、フェロモン製品を利用してリラックスさせるのも良い方法です。焦らず、猫のペースに合わせて新しいトイレ環境になじませていきましょう。
トイレの数は適切なのに粗相がおきる
猫同士のストレスを和らげる環境作り
複数の猫を飼っている場合、猫同士のストレスを和らげる環境作りが大切です。十分な数のトイレを設置し、各猫が自由に選べるようにしましょう。
トイレは複数の場所に分散して配置し、隠れ家のような静かな場所に置くのがおすすめです。各猫に専用のくつろぎスペースを用意するのも大切です。
キャットタワーや高さのある棚など垂直方向のスペースを活用すると、猫たちが自分の居場所を見つけやすくなります。フェロモン製品の使用や十分な数の食器や水飲み場の配置、定期的な遊びの時間の確保も欠かせません。猫同士のストレスを軽減し、より快適な多頭飼いの環境を整えていきましょう。
» 猫のトイレの理想的な場所選びを解説
まとめ

猫の多頭飼いにおけるトイレ環境の整備は、飼い主さんが気を遣ってあげたい重要な課題になります。
猫はトイレの共有も可能ではありますが、ストレスの原因になったり、泌尿器疾患、粗相につながる可能性もあります。
トイレの数は、猫の頭数プラス1が基本です。静かで安全な場所に分散して配置し、プライバシーを確保してあげましょう。トイレの選び方や猫砂の管理にも気を配り、個々の猫の好みに合わせてあげるのがポイントです。
新入りの猫には段階的なトレーニングを行い、先住の猫の習慣を尊重することも忘れないようにしましょう。
トイレの数や配置を工夫してあげると、猫同士のストレスや競争を軽減でき、結果として粗相の回避にもつながります。
快適なトイレ環境づくりは多頭飼いの成功と猫たちの健康に不可欠ですので、個々の様子を見ながらゆっくり整えていきましょう。